ししもとのAC回復ノート

親の呪いを解いて自分の人生を生きる

愛情不足で育ったからこそ「心が不自由」であることを自覚して、それに応じた選択をしていく |感想④『「大人になりきれない人」の心理』

愛情不足で育ったことに気づいたら、まずできることとして
・他人からの好意を期待しない
・嫌いな人から離れる
・嫌いな人にまで好かれようとしていた(自分に執着していた)ことを反省する
というのが前回の記事でした(→愛情不足で育ったことに気づいたらーまずやるとよいこと3つ |感想③『「大人になりきれない人」の心理』

↑これだけでもけっこう効果はあると思うのですけれども、落ち着いてきたら次の段階へステップアップしたいものですよね。

ということで、愛情不足で育った人はどういう選択をしていったら幸せに近づくのか、を考えていきます。

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生き方を間違えるのは自分を理解できていないから

精神的に未熟な親の元に生まれてしまうと、愛情不足→心理的な成長が止まる→大人としての責任を果たすことがとてもつらい→苦しい人生を送りがち。

では、育った家庭が不穏だと、苦しいまま生きて死んでいくしかないのか、と絶望的な気持ちになりますよね。

しかし著者は「私はそうは思わない」と断言します。

じゃあどうしたらいいのかというと

 「母なるもの」を持たない母親の元に生まれた人として生きていく覚悟を決めることである。

「大人になりきれない人」の心理 (PHP文庫)p.198


もう少し具体的にいうと

生き方を間違ってしまうのは、自分には何が欠けているかが理解できないからである。そういう人は、人生の目的も間違える。誰と接するかも間違える。

「大人になりきれない人」の心理 (PHP文庫)p.198

つまり、「母なるもの」が欠けていることを理解できていないから、間違えた生き方をしてしまう、ということ。

「え、いやいやちょっと待って、愛情不足で育ったことは私が一番よくわかってますけど?」と、思う方もいらっしゃるかもしれません。

でもたぶん、認識できている状態と、理解して行動できる状態の間には溝があるんだと思います。

私は次の文章でかなり腑に落ちました。

 自分が足が不自由だと分かった人は、それを助けてくれる人を探すだろう。それと同じである。肉体については、健常者とか身体障がい者という言葉があるが、心理についてはない。しかし、心についても同じなのである。「母なるもの」を持たない母親のもとに生まれた人と、「母なるもの」を持っている母親のもとに生まれた人とが、どうして同じであろう。

「大人になりきれない人」の心理 (PHP文庫)p.201

なるほど。
「心が不自由」なのだから、それにフィットする選択肢を選んでいく、ということですね。

たしかに、足が不自由だとしたら、それをバカにしてくるような人とは距離を取りますよね。必要なときに助けてくれないだろうし、配慮がなくて危険な目に遭うかもしれないから。

だったら心も同じで、こちらの心の不自由さにつけ込んでくるような人と接しないほうがいいわけですよね。弱みにつけこんで危険な目に遭わせてくるかもしれないのだから。

(まあ、その弱みにつけ込んでくる人というのが、最も身近な親だったりするので、離れるのが難しく、余計に問題が複雑化するのですが)

ともあれ、心が不自由なのに、それをバカにするような人(親含め)とばかり接してきてしまったのですよね。
しかも、そういう人の機嫌を一生懸命にとってきてしまった……。

肉体が不自由な人にあてはめて考えれば、「(不自由さをあざ笑うような人から)バカにされたくない」と必死で肉体を改善しようとして、無理な努力を重ねて怪我をしたり疲れ果てる、みたいなことをやってきたようなもの。

そりゃあ、余計におかしなことになりますわな。

もちろん、仕事関係など、人間関係の選定に限界がある場面もありますが、選べる場面では、心のやさしい人と接していったほうがいいのは明らかですよね。

人は、自分が分かっているかいないかで、何もかもが違ってくる。誰と付き合うかから始まって、人生の大小さまざまな事柄の選択に際して、どちらを選ぶかが今までとは違ってくるのである。
「大人になりきれない人」の心理 (PHP文庫)p.199


そう、人間関係に限らず、進路や仕事にもいえますよね。

親が学歴至上主義だったりすると、親に認められたくて好きでもない勉強を続けてしまうし(私はこれ)。
勉強に限らずスポーツや芸術でもそういう面があるでしょう。

親の機嫌をとるためにやっていた、つまり「母なるもの」を手に入れたくてそれに固執していた、ということがわかっていなかった。

人間関係もしかり。
心が傷ついているのだから、ありのままを認めてくれる優しい人と接したほうがいいのに、批判してくる人の言葉のほうを信じてしまっていた。

まさに、「何が欠けているか」をわかっていなかったのですね、私は。

 

理解できたら、自分にフィットした選択をしていく

私はこのあと、時間をかけて自分に向き合って「ほんとうはどう生きたいのか」を考え直しました。
接する人を厳選し、仕事を変え、住む場所を変えていきました(詳細は別途記事にしていきます)。
時間はかかりましたが、今、本当に人生が充実しています。

 

母なるものをもたない母のもとに生まれた人として生きていく覚悟を決める

引用元:
加藤諦三『「大人になりきれない人」の心理』(PHP出版・2008)p.198

 

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まとめ

自分に欠けているもの(機能不全家庭で育った人であれば「母なるもの」が欠けているということ)を理解していないと、間違った生き方をしてしまう、という話でした。

家庭で傷つき、心が不自由であることをふまえれば、誰と接するか、どんな仕事をするか、などなどいろんなものの選択がこれまでと変わってくるはず。
そして、自分らしい人生を送れるようになりうる、ということ。

この本のほかの記事

① 親に愛されないと心理的な成長が止まる→大人として責任を果たすことがとてもつらい

② 愛情不足で育っても幸せに生きている人はいる→その特徴3つ:才能をつかう、信じる、楽しく何かをする

③ ②で挙げた3つは長期的な「生きる姿勢」なので、まずやるとよいこと3つ