親の呪いを解いて自分の人生を生きる

10年かかったけどなんとか回復してきた

〈AC回顧録・20代後半・小さな転機〉被災地に心を寄せる余裕もない自分に嫌気「もし今の”不満な私”のまま死んだら絶対に後悔する」

母への嫌悪感に気づいてから絶縁に至るまでの出来事を見つめなおしています。>>>記事一覧)。

間接的にではありますが東日本大震災を経験して、「人生をやり直さなければならない」と思いました。

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東日本大震災のときに

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被災地からはだいぶ離れていたのですが、私がいた地域も震度5強程度の揺れを観測しました。

そのとき私は仕事中で、いつも使っていた設備が、これまで見たこともないくらい左右にスライドしたのが衝撃的でした。

幸い、直接的な被害はほぼなかったものの、計画停電が始まりました。
設備担当をしていたので停電対応に追われるようになり、仕事が倍増しました。

ニュースでは被災地の惨状を放送していて、数えきれないほどの悲しみがある。
けれど正直私は、被災地に心を寄せる余裕が一切ありませんでした。
目の前の仕事に対応するのにとにかく精いっぱいで。

むしろ、計画停電が行われる度に「あーもうっ仕事増える!」とイライラしてしまうのです(自然現象が発端なのだから、誰が悪いわけでもないのに)。

停電中も、暗い部屋で毛布にくるまって「はーあ、不便、ついてない」と嘆いていました(もっと大変な目に遭っている方もたくさんいるのに)。

なんだか、心が「無」に近いというか、いろんなセンサー、とくに優しさとか共感とか、大事なセンサーがいつのまにか落ちてしまったような感じでした。

そんな冷たい自分を客観視しているもう一人の自分もいて「やだなあ、私。どうしてこうなっちゃったんだろう」とも思いました。

いつ死ぬかわからない

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そうした慌ただしさのなかで実感したのは、「人間、いつ死ぬかわからないんだな」ということ。
自然災害は定期的にやってくるし、コントロールできない。
災害に限らず、交通事故などは意外とよくあるもの。

若かろうがいつ死ぬかわからない、なんて当り前のことなのですが、災害を目の当たりにしてようやく実感しました。

「(震源地がもっと近かったら)私も死んでいたかもしれないんだな」
と考えたとき、強烈にこう思いました。

「今の、”辛い毎日を過ごしている不本意な私”のまま明日もし死んだら、絶対に後悔する」
「人間いつ死ぬかわからないのだから、もう、好きなことをして生きていきたい」
「人生を考え直さないとダメだ」

でも次の瞬間には目の前の仕事がなだれこんでくるのが現実でした。

急に変えられるわけでもないけれど

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いくら「人生をやり直す」と思えども、この忙しい状態で誰かに仕事を引き継ぐことを考えると……できませんでした。
あまりにも職場に迷惑がかかると思ってしまって。

私はあまり人に辛い思いをさせたくない(自分がされたらやっぱり嫌ですし)ので、ここは少し耐えることにしました。

でも、コマを一つ進められたというか、「(まだ動けないけれど)生き方を修正することに決めた」くらいのステイタスには進むことができました。

すぐに動けないのはもどかしい面もありますですが「修正することに決めた」としておくと、チャンスが来たときにスッと動けたりするんですよね。

こうして私は、「本来の自分の人生」という、新しい扉の前に立ちました。

あとは開けるための鍵を手に入れるだけでした。

皮肉にも、私にとってのそのカギは、母への怒りでした。

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