高田明和『敏感すぎて苦しい』がたちまち解決する本(廣済堂出版・2017)の感想記事(後編)です。
HSPとは「とても敏感な人」のこと。
前半の記事(>>>HSPの人はミラーニューロンが発達している)では、HSPの人の特徴や困りごとについて書きました。
本記事では、「では、HSPの人はどう生きていったら多少楽になるのか」ということを、本書を参考に考えたいと思います。
敏感気質の人はどうしたらよいのか→気質を才能として生かす
本書では、敏感気質を欠点ではなく長所・才能と捉えて、生かす方向へ、と考えています。
憧れの人を真似てみる
前半の記事にも書いたように、HSPの人は、ミラーニューロンが発達しているので、成功者の真似も上手いそうです。
この、ものまね上手な性質を生かして、「こういう風になりたいな(例:いつも落ち着いている人、ちょっとやそっとのことでは動じない人など)」という人がいれば、真似してみるというのが一つの手。
刺激を受けてドキドキヒヤヒヤしそうになったら、「憧れの〇〇さんならどうするかな」と一旦立ち止まってみる、という感じですかね。
堂々とした自分を演じているうちに、そちらの時間のほうが長くなるかもしれません。
共感力を生かす
また、人に寄り添うことも得意なので、その方面で存分に力を発揮するのもあり。
とはいえ、人に寄り添うと、相手の気持ちとかエネルギーみたいなものが流れ込んでくる感じで、(相手の状態によっては)後で超グッタリしてしまうんですよね。
だからこそ、敏感さを長所に結びつけるには、敏感さのコントロールが大事になってきます。
具体的にどうしたらいいのでしょう。
敏感さを見える化 & 刺激要因を遮断
自分は何に対して敏感で、どのような反応をして、その結果どんな問題を抱えているのかを特定することが大切です。
そのためには、自分の感情を「見える化」してみましょう。
引用元:高田明和『「敏感すぎて苦しい」がたちまち解決する本』廣済堂出版(2017)p.128
まずは「どんなことでグッタリしてしまうか」を明確にする、というわけですね。
見える化の一番簡単な方法として挙げられるのが、「その日にあった出来事と自分の状態を書き留める」こと。
たとえば、「会議中、部長から〇〇先輩に対する口調がキツかったので、それを見ていたら心臓がドキドキしてしまった」など。
自分の心の観察記録を蓄積していくと、自分が何にどう反応するのか「自分の敏感リスト」ができるので、リストをもとに「自分を不安にする」刺激要因を遮断するとよいわけです。
心の敏感さは、アレルギーと同じようなもの、と考えてみてもいいかもしれませんね。
たとえば、花粉症の人であれば、花粉をなるべく避けるために、マスクやメガネをしますよね。ハウスダストアレルギーなら、ホコリの出にくい寝具を使ったりしますよね。
アレルギー源と全く接しないことは難しいですが、できるだけ減らして、症状を楽にすることはできます。
心への刺激についても、同じかもしれません。
社会で生きていく以上、すべての刺激要因を遮断することは現実的には難しいでしょうが、「あ、私はこれで不安になるのだな」とわかっているだけでも、心の負担は減らせるような気がします。
突然わけもなく鼻水が止まらなくなったら「何か悪い病気かも?」と不安になりますが、「あー、今年も花粉が飛び始めたんだな―」とわかっていると少し気は楽ですものね。
ちなみに、私は、「言い争いをしている(っぽい)場面」や「誰かが強く責められたり怒られている場面」がとても苦手で死にそうになります。
(社風にもよるでしょうが)組織に所属しているとどうしてもそういう場面は避けられないので、自分だけで完結できる仕事に転職しました。
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他者の機嫌に左右されそうなときに言い聞かせること
そうはいっても、他者の機嫌に左右されてしまうことは完全には避けられませんよね。
そんなときは、以下のことを意識していきたいです。
相手の不機嫌を「自分のもの」として捉えそうになったら、唱えてください。
親、兄弟、恋人、パートナーといえども「他人」、自分以外の人間です。
引用元:高田明和『「敏感すぎて苦しい」がたちまち解決する本』廣済堂出版(2017)p.168
仮に、自分の感じ方が、一般的でないとしても、それはそれでよし、と認められるようになっていきたいです。
おわりに
著者ご自身も敏感気質の方なので、他人事じゃないというか、突き放していないというか、良い意味で客観的すぎない本だと思います。
敏感さの起源の一つであるミラーニューロンが活発、ということを良いほうに使おうと思えたのは、個人的に大きな収穫でした。
載せきれませんでしたが、他にも「面と向かって断れないとき」の対処法とかも書いてありました。
なお、他の方が書いたHSPの書籍もありますので、何冊かパラパラめくってみて、自分にしっくるくる本を選ぶとよいと思います。
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