一旦嫌な気分になると、なかなか抜け出せずにいました。
嫌な気分から脱したほうが楽なのに、つい不快な状況に留まってしまうというか。
今思えば「かわいそうな私」をだれかが助けてくれるのを待っている、心の奥底にはそんな気持ちが潜んでいたような気がします。
でも、「助けてくれるだれか」って、そうそう現れないんですよね。
「だれか」を欲したまま長い時間が経ち、自分で自分を助けるしかないのだ、と今はようやくわかりました。
自分で自分の機嫌をなんとかする、そのためのヒントが書かれた本です。
玉川真理『イヤな気分をパッと手放す「自分思考」のすすめ:他人にも感情にも振り回されない方法』(誠文堂新光社・2017)

イヤな気分をパッと手放す「自分思考」のすすめ: 他人にも感情にも振り回されない方法
- 作者: 玉川真里
- 出版社/メーカー: 誠文堂新光社
- 発売日: 2017/08/08
- メディア: 単行本
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どんな本?
本書では「イヤな気分=イライラ、憂鬱」とし、このイライラ、憂鬱は、他者の存在によって生じるもの、としています。
ということは、イヤな気分を解決するには、自分思考(※)で生きることが大事だということ。
※なお、自分思考とは
他者からの評価を基準に思考・行動するのではなく、自分がどうしたいかを基準に考えて、選択・行動するということです。
引用元:玉川真理『イヤな気分をパッと手放す「自分思考」のすすめ』誠文社新光堂(2017)p.6
「自分思考」と聞くと、いわゆる「自己中」な感じがして、抵抗のある方も多いかもしれません。
本書でいう「自分思考」とは、「自分の願望を満たすためなら他人はどうなってもかまわない」という意味ではないのです。
「常識ではこうだから」「親はこう言うから」といった他人の評価を基準にするのではなく、自分がどうしたいかを基準に選択・行動する、ということです。
なお、この考え方は、石原加受子さんの提唱する「自分中心心理学」とおおかた同じと思われます。
本書では「自分思考」の考え方そのものよりも「イヤな気分を手放す具体的な方法」のほうに重きが置かれているかなと感じました。
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本書を読んで考えたこと
>>>イヤな気分が解消できないときに試してみること2つ
>>>弱さは優しさかもしれない
>>>(準備中)
おわりに
タイトルからは「うつ」よりもライトな感じを受けますが、今現在うつ状態にある人にもとても役立つのではないかと思いました。
また、最後の章は、身近にうつの人がいる方向けに書かれていますので、うつの人の気持ちを理解したり、もらいうつを予防するのに助けになるかもしれません。
著者は自衛隊に入り、そこでうつも経験して、のちにカウンセラーになったそうです。発達の凸凹があったりで(わかったのは大人になってからだそうですが)、悩んでこられたようなので、対人関係などが苦手な方にも本書は参考になるかもしれません。
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