ししもとの読書ノート

生きづらさの軽減をめざして

敏感な人はミラーニューロンが発達している |感想『「敏感すぎて苦しい」がたちまち解決する本』高田明和

 

他者の機嫌に左右されてしまう

子どもの頃から
「ったくもう、神経質なんだから(呆)」
「そんなんじゃアンタ生きていけないよ」
などと言われてきました。

気になるポイントはいろいろあるのですが、例えばこんなこと。

同じ空間に機嫌の悪い人がいると、それにつられて、ものすごく憂鬱な気分になってしまいます。

明らかに私のせいでなくても、私がその人の気に障ることをしでかしたのではないかと不安になってしまうのです。

そればかり考えて、目の前のことも手につかなくなる。
この感じ方のせいで、会社員として働いていた頃は疲労感がとてつもなかったです。
無表情な人、いつもムスッとしている人が同じ空間に一人でもいれば落ち込むのですから。

議論が白熱して、ちょっと喧嘩腰になる人がいるのを見かけると、それが自分に対して向けられているものでなくても (うああああー、ふつうの口調で言ってあげてー) と頭を掻きむしりたくなるような、そんな気分に襲われていました。


この性格は、自分の育った家庭環境によって形成されたものだと思っていたのですが、そうとも限らないようです。

HSP(Highly Sensitive Person=敏感気質)なる、生まれ持った気質の可能性もあるらしいのです。

高田明和『敏感すぎて苦しい』がたちまち解決する本(廣済堂出版・2017)

 

「敏感すぎて苦しい」がたちまち解決する本

「敏感すぎて苦しい」がたちまち解決する本

 

 

 

敏感気質とは?

HSPとはHighly Sensitive Personの頭文字をとったもの。
日本語でいえば「とても敏感な人」となります。

この概念を提唱したアーロン博士は、とても敏感な人のことを、目の細かい網を持っている、というたとえ方をしています。

目の粗い網を使って漁をする人と違い、目の細かい網を持っている人は、より多くのものが引っ掛かります。そのなかには、粗い網を持った人が見逃してしまう大切なものもある代わり、必要のない、むしろ邪魔なもの、余計なものも引っ掛かってしまうというわけです。

引用元:高田明和『「敏感すぎて苦しい」がたちまち解決する本』廣済堂出版(2017)p.87


すごくわかりやすい例えだな、と思いました。

魚(本質)を獲りたいのに、網目が細かい(敏感気質)ために、木片やらゴミやら要らないもの(余計な情報)まで引っかかってしまう。

木片やらゴミを「これいらない」とその場で捨てられる程度なら問題ありませんが、いらないものが多すぎて、肝心の魚(本質)を見つけられない、というのはなかなか困りますよね。

なぜ網の目が細かすぎるのかというと、脳のなかのミラーニューロンが発達している、というのが一つ関わっているようです。ミラーニューロンは「ものまね神経」とも呼ばれ、真似をするときによく働きますから、周りの影響を受けすぎてしまう、ということにつながります。


なお、この敏感気質、どの社会にも(動物や虫でも)15~20%の割合で存在するのだそう。

なぜかというと、生物が生き延びるために必要だから。
敏感なタイプは危険を察知する役割を担っているのですね。


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もしかして、自分も敏感体質かも…と思った方は、本書の第一章のもくじを眺めてみてください。あるある! となれば可能性が高いかも。

私が特にあてはまったのは、

・態度の大きい人、自信たっぷりの人の態度、言葉に逆らえない
 →逆らうと余計に状況が悪化することが多いので、雰囲気を悪くするよりは自分が我慢すればいいかと思ってしまう(私の場合)。

・他人からの異なる評価がいちいち気になる
 →全員から良い評価をもらわないと生きていけないと思い込んでいた(私の場合)

・仕事中、誰かに見られていると思うと緊張する
 →(あいつまた休憩してる。ダメな奴だ)とか(あの子全然集中してない。使えないわ)なとど思われているに違いないと思ってしまう(私の場合)。

・頼まれると断れない
 →断ったら相手が困る or 気分を悪くする、と思うと、断れない。あるいは相手にとっての自分の価値が下がる=このコミュニティからはじきとばされる、と思ってしまう(私の場合)。

・マイナスのカードを集めてしまう
 →最悪の事態に陥ってもショックを受けすぎないよう、普段から悪いほうに考えてしまう。悪い方に考えた結果、ネガティブになったり、不信感が募るので、結局事態は悪化してしまう(私の場合)。


私の生きづらさは、環境要因ももちろんあるけれど、敏感気質も関係しているのでは、と思うようになりました。
(年齢を重ね、多少は割り切れるようにはなってきましたが。)

では、そんな敏感気質の人はどうしたらよいのか

本書では、敏感気質を欠点ではなく長所、才能と捉えています。

先にも書いたように、ミラーニューロンが発達しているので、成功者の真似も上手いはず。こういう風になりたいな、という人がいれば、真似してみるというのが一つの手。

確かに私自身、マネすることはわりと得意という自覚があります。
楽器とか、何かを作るとか、なんとなく最初からある程度できる、ようなところはあるのです(それで満足してしまって、その後が続かないのですが…汗)。


また、人に寄り添うことも得意なので、その方面で力を発揮するのもあり。

私自身に限って言えば、敏感ではあるけれど、特別思いやりがあるわけでもないのが情けないところでして。

いろんなことに気づいてはいるのだけど、その時点で情報量の多さに疲弊してしまい、あるいは面倒くさくて、行動にまで辿り着かないことも多い気がします。

仮に「あ、Aさんの発言でBさんが今ムッとしたな。ちょっとBさんに一言かけとこう」などと気を利かせたつもりでBさんをフォローしたとしても、そういう機会が重なると「なんでいつも私ばっかり……」みたいな、損したような気分が生じることもあります (頼まれたわけでもなく、勝手にやってるのに…。ありがた迷惑の可能性もあるのに…。人間としての器ちっさ……)。

でもまぁ、何回かに一回くらいは、もしかしたら本当に役に立っているのかもしれないと思って、前向きにとらえるのが良いのですかね。

ともあれ、敏感さを長所に結びつけるには、敏感さのコントロールが大事になってきます。

敏感さをコントロールする

自分は何に対して敏感で、どのような反応をして、その結果どんな問題を抱えているのかを特定することが大切です。
そのためには、自分の感情を「見える化」してみましょう。

引用元:高田明和『「敏感すぎて苦しい」がたちまち解決する本』廣済堂出版(2017)p.128


見える化の一番簡単な方法として挙げられるのが、「その日にあった出来事と自分の状態を書き留める」こと。
それを蓄積していくと、自分が何にどう反応するのか「自分の敏感リスト」ができるので、リストをもとに「自分を不安にする」刺激要因を遮断するとよいわけです。


私は無意識のうちに似たような作業をやっていましたので、その感想を。

二年半ほど前からライフログノートをつけているのですが、そのノートにモヤモヤを書きつけていました。

例えば「なんかモヤモヤする。なんでだろう。Aさんにこう言われたのが原因だろうか」などと書き垂らします。すぐに解決するわけでもないので、とりあえず書くだけ。

何度も気持ちを書いていると、だんだん「Aさんが無表情だったから、怒っているように感じたのかも。そうか、私、無表情な人が苦手なんだ。無表情=怒り、批判と解釈してしまう癖があるんだ」というようなことがわかってきます。

そして「Aさんはただ無表情なだけで、まったく悪い人ではない。けれど、Aさんといると、どうしても不快・不安になってしまう。良い方向に受け取ろうと努力もしたけれど、今の私にはまだ難しいな。少し距離を置いてみようか」などと思い始めます。

そして実際に少し距離を置いてみると、「やっぱり私が悪いほうに解釈していたな」あるいは「Aさんとはほどほどの距離でいこう」とより冷静に分析できたりします。

ちょっとした不安刺激要因を一つひとつ丁寧に除く、あるいは対応策を考えることによって、私自身、かなり楽になってきました。


すべての刺激要因を遮断することは現実的には難しいでしょうが、「あ、私はこれで不安になるのだな」とわかっているだけでも、心の負担は減らせるような気がします。

他者の機嫌に左右されそうなときには

冒頭で述べたように、他者の機嫌に左右されがちな私ですが、今後は以下のことを意識していきたいです。

相手の不機嫌を「自分のもの」として捉えそうになったら、唱えてください。
親、兄弟、恋人、パートナーといえども「他人」、自分以外の人間です。

引用元:高田明和『「敏感すぎて苦しい」がたちまち解決する本』廣済堂出版(2017)p.168


母と意見が違うとき「あんたはおかしい!」「この非常識者!」とねじふせられてきたことを思い出します……。

それを鵜呑みにしてしまったので、いつしか自分の感じ方に自信が持てなくなり、他人の言動に振り回されるようになったのだと分析しています。

仮に、自分の感じ方が、一般的でないとしても、それはそれでよし、と認められるようになっていきたいです。

おわりに

著者さん自身も敏感気質の方なので、他人事じゃないというか、突き放していないというか、良い意味で客観的すぎない本だと思います。

敏感さの起源の一つであるミラーニューロンが活発、ということを良いほうに使おうと思えたのは、個人的に大きな収穫でした。

載せきれませんでしたが、他にも「面と向かって断れないとき」の対処法とか、役立つ情報が多々詰め込まれています。


なお、他の著者さんが書いたHSPの書籍もありますので、何冊かパラパラめくってみて、自分にしっくるくる本を選ぶとよいと思います。

 
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