ししもとの読書ノート

生きづらさの軽減をめざして

変化にイライラせず、待てるかどうか|感想『無敵の思考』

以前読んだ『働き方完全無双』がけっこうおもしろかったので、同じ著者さんの別の本も読んでみました。

ひろゆき『無敵の思考――誰でもトクする人になれるコスパ最強のルール21』大和書房(2017)

無敵の思考 ――誰でもトクする人になれるコスパ最強のルール21

無敵の思考 ――誰でもトクする人になれるコスパ最強のルール21

 

 

隠者あるいは仙人系の人向けかも

著者さんは某巨大掲示板の管理人だった「ひろゆき」さん。

かつてインターネットが発展していく過程で、某巨大掲示板の存在を知ったとき、ものすごくショックをうけたことをよく覚えています。
罵詈雑言の嵐、というのが私にとっては衝撃で。

今でこそ、ネットにはそういう面もある、と慣れてきましたが、当時は驚きました(若かったせいもあるでしょうが)。
なんたって、周囲の大人や先生たちが「そういうことは言ったらダメ!!」と激しく怒るような言葉が掲示板にはあふれているのですから。
しかも、というか、むしろ、丁寧な言葉遣いをすると浮いてしまうらしい。

「本音と建前」文化が刷り込まれているこの日本で、「いくら顔が見えないからって、あまりにも本音がすぎるというか、もはや罵倒やないか…」と思って引いておりました。
(実社会が「建前」ばかりだからこそ、ストレスのはけ口として掲示板が発展したという面もあるのでしょうが)

「罵詈雑言がひどい」のに、管理人さんはよく平気で野放しにしてるなぁ、取り締まったりしないのかなぁ、とも思っていました(本当にアウトな案件にはきちんと対処されていたのだと思いますが)。

だからこそ、管理人さん(ひろゆきさん)に対してちょっとした不信感みたいなものを(勝手に)抱いていた、というかあまりいいイメージを持っていませんでした。

ですが、ここ最近、本を出されたり、インタビュー記事での発言を見かけると、ひろゆきさんは、不思議な人ではあるけれど、悪い(悪意のある)人というわけでもなさそう、と思うようになりました。


本を読んでみるとわかるのですが、ひろゆきさんは「隠者・仙人系」の方だな、と思います(記憶が曖昧で恐縮ですが、別の本でご本人自身がそんなことを言っていたような……)。

経営者など、ビジネスで成功している系の方って、ガツガツしている印象といいますか、気が強いといいますか(そうでないと成功は難しいのでしょうから、それもまた才能だと思います)、迫力というか圧力みたいなものを感じることが多いですよね。

私自身は気力が足りない系の人間なので、真似したくてもとてもできそうにない。
ゆえに、ガツガツ系成功者の書かれた本は、「面白いのだけど、エネルギーがすごくて疲れてしまう」ようなところがあります。


一方、ひろゆきさんの本はどこかゆるっとした部分があります。
ガツガツ系ではない代わりに、自分のなかに「確固たる軸」みたいなものがあって、それが決してブレない感じなのですよね。
「自分の軸」に従っていればそれでよくて、良い意味で「周囲の目を気にしない」ようなところを感じます。


ひろゆきさんは結果的に(社会的にも)成功しておられますが、成功するしないに関わらず、隠遁系の生き方しかできない自分には、比較的参考になるところが多いような気がしています。
(常識的な観点からいえば「えっ!?」というようなところもありますので、それを取り入れるかどうかは自分次第、ということで)


だいぶ脱線してしまいましたが、本の感想にうつります。

ちなみに、先日行った書店では「これを読まなきゃ平成が終われない!」的な特設コーナーに置かれていました。

 

どんな本?

「お金がある=幸せ」という価値観をお持ちの方も多いと思います。

確かに、お金があると、選択肢が増えるので、「困りごとを解決する可能性が高くなる」という面はあるかな、と私も最近思うようになりました。

ですが、お金と幸せが紐づいていると、社会全体としてであれ、個人としてであれ、経済的に衰退していった場合、なかなかしんどい気持ちになりそうです。

だからこそ、お金があってもなくても幸せに生きられるようにしておこう、という主旨の本。
そのために著者が体系化させた「ルール」を21個、紹介しています。
とりわけ、コスパがよくてトクするもの、幸せを感じることができるもの、を中心に挙げられています。

先にも述べたように、常識的には「えッ!?」となる項目もありますが、「そういう考えもあるのだなぁ」と思うことで視野は広がりますし、良いなと思うところだけ自身に取り入れていくのがコツかな、と思います(この本に限ったことではなく、読書全般にいえることですが)。


よかったところ

自分のことが嫌いになるようなことをしない

僕は「自分のことが嫌いになるようなことをしない」ということを徹底しています。イヤな思いをしたときに、「なんであのとき、ああしなかったんだろう」と後悔する理由を、前もってつくらないということです。

引用元ひろゆき『無敵の思考 誰でもトクする人になれるコスパ最強のルール21』大和書房(2017)p.70

 

自我が持っている「自分の好きなもの」「自分の好きな人」「こういう自分が好き」という部分に根ざしたルールにはちゃんと従うべきです。

引用元ひろゆき『無敵の思考 誰でもトクする人になれるコスパ最強のルール21』大和書房(2017)p.71

 

これは本当に共感します。

家庭環境の影響で、「イヤだけど忖度してこっち」と選択する癖が私にはありました。
また、何か問題が生じるとつい「私が悪いのだ」と思ってしまう癖もありました。

しかし、「私が悪いのだ」と思えば思うほど、自分のことが嫌いになっていきました。
自分のことが嫌いだと、他人がうらやましくて仕方がなくなるのですよね。

また、人間関係にせよ、物にせよ、服にせよ、自分が好きなものを選ばないと、自分の周りが「好きでないもの」で溢れ、すると嫌いなところばかりが目につくので、イライラするようになりました。

そして、そのイライラや不満は他人に向いていってしまいます。
ちょっとイヤな言い方をしてしまったり。
何も言わずとも、こちらの態度によって相手もネガティブなものを感じ取ってしまいますから、余計に気まずい雰囲気になったり。

結局私は、どうしようもなく人生に行き詰まり、自暴自棄になるかのごとく、社会から距離をとりました。
マイペースに生き始めたところ、本当に楽になりました。

「社会から距離をとる」、これができてしまう大胆さが自分にはありましたが、人それぞれ様々な事情がありますから、そうそうできることでもないと思います。
実際問題、社会的な組織に属していると、「自分を嫌いにならないように」するのは結構難しいだろうな、とも思います。
「マイペースすぎる」とか「自己チュー」とか「空気よめ」とか間違いなく言われると思いますので。
そのあたりが気にならなくなるには、もうひと段階あるのかな、と思います。

これもきっとスモールステップで、ほんのちょっとずつ登っていくしかないのかもしれません。
今できる範囲で、自分の気持ちを大事にしていく、みたいなことになるのでしょうかね。

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「待てる」かどうか

競争相手が勝手に落ちていくから、それまでは「待つ」ということが人生でできるかどうか。それが幸せに生きるためには必要なことでしょう。

引用元ひろゆき『無敵の思考 誰でもトクする人になれるコスパ最強のルール21』大和書房(2017)p.118

 

いちいち変化にイライラすることなく、「待つ」ということができたほうが人生ではトクなのです。

引用元ひろゆき『無敵の思考 誰でもトクする人になれるコスパ最強のルール21』大和書房(2017)p.119

 


著者曰く、自分より面白いものを考える人はたくさんいたけれど、そういう優秀な人は真っ当な仕事につき、面白いものを考える機会がなくなるので、結果的に自分程度の人間でも上のほうのポジションになれてしまった、とのこと。

また、見た目に関しても、容姿の良い人は早めに既婚者になる傾向があるので、老け込まないように気をつけながら待っていれば相対的に自分の立ち位置が上がる、とのこと。


これを読んで私が思い出したのは、女芸人さんのこと。
若い頃容姿をイジられていた方でも、ずっと活躍されていると(表に出る仕事だから容姿にも気を遣われるのでしょう)、「(その年代なりに)ものすごく綺麗!」になっておられ、ビックリしたことがあります。
もちろんご本人の、多方面での努力があるのは間違いないですが。

何事も、「やめない」といか、「粛々とすべきことをやる」みたいなことが大事なのかなぁ、と思いました(自戒を込めて)。


おわりに

本記事で取り上げたのは生き方に関するルールでしたが、本書3章ではお金に関するルールも記載されています。

詳細は本書をご覧いただくとして、お金に関するルールについては、「無駄なものに使わない」というのが包括的な主張かなと思います。
例えば、収入が増えたとしても金銭感覚を保っておくとか、物は調べ尽くしてから買うとか、比較的ベーシックというか、真っ当な感じです。

無駄なものに使わないためにも、自分の好きなモノやコトを知っておくのは大事なのでしょうね。
それがある程度わかるまでは、多少のムダ遣いも必要なのかもしれません(忖度して選択する癖がなければ、早い段階でわかることなのかな)。

自分にとって、何が大事か分かった後は、ムダな消費を防ぐべく、気を引き締めようと思いました。


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