近くに辛そうな人がいると、想定以上に引きずられてしまう
私自身も過去に「うつ状態」を経験したことがあるせいか、「うつ」の人と接すると、想定以上につらい気持ちになります。
もちろん、苦しんでいる人に「しんどいよね、つらいよね」と共感することは大切なことだと思うのです。
しかし私の場合、相手と自分を同化してしまいそうになるというか、相手との境界線があいまいになるという感じなんですよね。
私自身は現在困っていることもほとんどないのに、頭の中がほぼ24時間「つらい気持ち」で占拠されてしまいそうになるのです。
おそらく、「人の苦しむ様子を目にするのがつらい」という単純要因に加え、過去に自分がうつ状態だったときの感覚を思い出すのも一因だろうと思います。
また、「母親が不機嫌だと自分の身に危険が生じた」という幼少期の体験から、「周囲にネガティブな気分の人がいる=自分にも危険が及ぶ可能性がある」と過剰な危険予知をして、不安になっているのかもしれません。
ともあれ、「つらい気持ち」でいっぱいの状態では、だれかを助けることは難しい。
つらさが長期間続けば、自分が他の人からエネルギーをもらわないといけなくなります。
いわゆる「共倒れ」の状態ですよね。
自分が辛い気持ちを味わったからこそ、今辛い状態にある人にできるだけ寄り添いたい。
でもそのためには「共倒れ」を防ぐ必要があって、そうならないようにどうしたらいいか、ということをここのところ考えていました。
たまたま過去の読書ノートに目を通す機会があり、そこでヒントを発見したので、考えたことを記事にしています。
(順次 追加予定)
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もらいうつを防ぐポイント2つ
① 相手との適切な距離を保つ
ひとつは、相手との適切な距離を保つことです。嫌いだと感じたり悩んだりしたら、それはもう距離が近すぎる証拠。自分の手に負えなくなっているということです。
玉川真理『イヤな気分をパッと手放す「自分思考」のすすめ』誠文堂信光社(2017)P.187
「適切な距離を保つ」と聞くと、なんだか冷たいような気がするかもしれません。
でも、ネガティブな気持ちのまま、相手に近づいていくことは、本当に相手のためになるのでしょうか。
詳しくは>>>もらいうつを防ぐ考え方① - 「相手との適切な距離を保つ」について考える
➁ 相手にしていることは、自分が本当にやりたいことなのか?
もうひとつは、できることとできないことをはっきりさせることです。相手のためにしていることは、自分が本当にやりたいことなのか? そこを明確にしましょう。
玉川真理『イヤな気分をパッと手放す「自分思考」のすすめ』誠文堂信光社(2017)P.187
相手のことが人間的に好きであるとか、相手に何かすることが自分自身の喜び、というのであれば、全く問題ないと思います。
その一方で、「自分も疲れてしまったけど、自分がやってあげなきゃ、他に誰もあの人を助けてくれる人がいないのではないか」と思って無理してしまうことありますよね。
身内であればなおさらだと思います。
でも、「あの人嫌い」と思いながら、何かをするのは、双方にとって良いことがありません。
詳しくは>>>もらいうつを防ぐ考え方➁ - 相手に「何かしてあげる」のは「本当に自分がやりたいこと」なのかを明確に
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まとめ
「私はうつのときの気持ちがわかるから、いつかだれかに寄り添ってあげられる」と思っていました。
半分くらいはそうかもしれないけれど、もう半分は「そこまで単純なことでもなかった」ということを実感しています。
人によって、状況は様々ですものね。
いずれにせよ、自分が元気な状態で、人に差し上げられるほどの「気力」があまっていないと、「だれかの力になる」ということはとても難しいことだと感じます。
私は、自分自身の「器の大きさ」が、少しは大きくなったと思っていましたが、元がお猪口レベルだったようで、「ぜんぜんまだ足りない!」と実感しています。
かといって、私は私なりに精一杯生きてきた結果なので、必要以上に落胆する必要もなく、「今の自分にできること」を粛々とやるしかないのだな、と思います。
参考文献
イヤな気分をパッと手放す「自分思考」のすすめ:他人にも感情にも振り回されない方法
この本の詳しい感想は
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