親の呪いを解いて自分の人生を生きる

アダルトチルドレン回復の記録

「共感」はすれど、「同意」はしなくてもいい - 「あなたの立場なら、そう思うよね」

以前、「ワガママ」と「自分を大切にする」の違いを考えました(>>> )。
本記事では、「共感」と「同意」の違いを改めて考えてみたいと思います。

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「共感」と「同意」は似ているようだけど……

一般的にも、「共感」と「同意」はほぼ同じ意味で用いられることもありますよね。
たとえば、女性同士の会話でよく登場する「わかる~」は、共感・同意どちらの意味も含んでいるのではないかと感じます。
だからこそ「わかる」と言ってもらえると、それだけでとても安心することも多いですよね。

コトバの意味を厳密にしたいわけではないので、「共感=同意」でも特にこれまで問題がなかった、という方はあまり気にされなくて大丈夫かな、と思います。

その一方で、「共感」しただけのつもりが、「同意」と捉えられ、いつの間にか「相手の言いなり」になりがち、という方もいらっしゃるかもしれません。

私自身も、実質的に「共感=同意」で生きてきました。
親や親戚が強権的で、実質的に「同意」以外は認められなかったので、それがベースになってしまったからです。

しかし、「共感=同意」だと、けっこうきついことになります。

たとえば悪口。
「なにあの人! ちょっと調子に乗りすぎじゃない?」
これは質問の形をとりつつも、明らかに同意を求められていますよね、、、。

「まあまあ」といなしたり、
「悪口には乗らないことにしてるんだ~」
と答えられれば一番良いのでしょうけど、実際はそうもいかないときもありますよね(汗)

指摘してハッと我に返ってくれるような人ならいいですけど、相手によっては激怒して、今度はこっちが標的になりますし。

かといって、共感しようとして、「わかる~」と言ってしまうとどうでしょう。

悪口を言っていた張本人に「〇〇さん(私)がこう言ってたよ!」と言いふらされてしまうかもしれません。
そこまでいかなくても、何か揉め事になったときに「〇〇さんだってそう言ってました!」と利用されたり。

悪口はまだ相手にも自覚があったりするのでマシかもしれませんが、価値観の押しつけも対応が難しいですよね。
押し付けてくるほうは「正しい」と信じ込んでいますのでね。

具体例を挙げると、高齢になった親戚からの「ひと昔前や思い込みの価値観でジャッジメント」がきつい。

「なんで結婚しないんだ!」
「親の面倒を看るのは当たり前!」
「(親に出す金がないなら)稼げる仕事に変えろ!」

たしかに、一昔前はそれが当たり前だったのでしょう。
時代背景は理解しますが、「じゃあ私もそうします」と「同意」するわけにはいきません、私の人生が死ぬので。
実際、これまで親に迎合せざるを得なかった、その結果が、人生の行き止まりだったので。

では、どうしたら「同意」せずして、「共感」できるのでしょうか。

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共感は「事実の認識」に近いのかも

共感からあえて同意成分を切り離して考えてみます。

すると、共感は「あなたはそう感じているんだね」「あなたはそういう価値観を持っているんだね」ということになるでしょうか。

だとすると、これって、●●さんは~と考えている、という「事実の認識」ですよね。

「事実の認識」だからといって、意味がないかというと、そうでもないと思うのですよ。
少なくとも、いきなり「それは間違ってる!」と反論するよりはよっぽど平和です。

私の親や親戚は、「自分と意見が違う=敵」なので、「おまえが間違ってる!」合戦だったのですけれども、それだと本っ当に、永遠に、平行線なんです。
どちらかが折れたとしても、「折れてやった」という恨みが残るので、後々復讐を仕掛けたりして揉めるんですね。

なので「そっちが間違ってる!」よりは「あなたはそのように考えるんですね」が妥当と感じます。

※ただし、言葉だけを変えても、心の中の「おまえ間違っている」が強い場合は、声の調子含め「へーそういう考えなんだー(えー、信じられない)」感じになってしまい、伝わってしまうと思いますが。
だからあくまで「事実認識」なのかな、と。

私個人としては、何か友人に話したとき「ほうほう、あなたはそう感じているのか」と言われても、不快ではないと感じます。

むしろ、(明らかに意見違うけど、事を荒立てないように「わかるー」って言ってくれたんだな、、、)と感じるときのほうが辛いかも(それはそれで相手の気遣いですから、むげにはできないのですが)。

「あなたはそう考えるんですね」では引いてくれない人もいる

以前、価値観押し付けの伯母に、「伯母さんがそう考えるのはわかる」と言ってみたことがあります。

一瞬、キョトンとしていました。

すぐ言い返してくる人なので、この「キョトン」だけでも、「おや」とは思ったのですが……まあでも一筋縄ではいきません。すぐに持ち直してきます。

「そうでしょうよ、わかるでしょう! (だから「イエス」と言え!!)」

言語化しておらずとも、「ワタシは正しいのだからお前はイエスと言え!」の圧力が凄まじいんですよね。

それで結局、こちらも心を折られてしまい「あー、またやられた……」とヘトヘトになっていました。

伯母でなくても、圧が強い人だったら、「あなたはそう感じるんですね」に対して

「うん、で、おまえは? 違うってこと? (違うなら言ってみろよオラぁ)」
ってなりますよね。

ですから「あなたはそう思うんですね」だと「で、おまえは?」を引き出してしまって、結局相手のペースにひきずられてしまうこともあるかな、と思うんです。

まあ、そういう相手とは関わらなくていいとは思うのですが、そうもいかない場合もありますよね。

そんなとき、「あなたはそう思うんですね」よりも、よりその場が収まりそうな言葉を『「会社行きたくない」と泣いていた僕が無敵になった理由』を読んでいて発見しました。

「あなたの立場に立ってみれば……」

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アナタの立場なら

「共感」するうえでの最重要ポイントは、「アナタの立場になれば、わかる」ということです。

加藤隆行『「会社行きたくない」と泣いていた僕が無敵になった理由』Kindle版 位置No.1285

 

個人的には、「わかる」まで言わなくてもいいかもしれないな、と思います。
「アナタの立場なら、そう思うよね~」くらいでも。

「●●さん(中間管理職)の立場なら、(上から圧力がかかって部下のことまで慮る余裕がないのだな)そのようにお感じになりますよね」
「伯母さんの立場なら(一昔前はそれが当たり前だったという時代背景を踏まえると)そう思うよね~」
「あなたの立場では(経験したことがないから想像がつかないのだろうな)そう思うんですね」
など。

「あなたの立場なら」とつけることで、自分と相手の間に境界線を引いているような感じもするので、けっこう良いなと個人的には思っています。

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おわりに

「共感」はして差し上げたいけれども、自分とは意見が違うので「同意」はしたくない。

そんなときは「あなたの立場ならそう感じるだろうね」が使えるかもしれません。

参考文献