ししもとの読書ノート

生きづらさの軽減をめざして

老後お金に困る人の特徴は現役時代の生活レベルを保とうとすること |感想『金持ち老後、貧乏老後』

 


老後、年金とは別に2000万円が必要、と話題にものぼる昨今。

若い世代であれば、年金の支給額が現時点での予想よりもさらに減る可能性もありますし、「なんとなく不安」という方は多いのではないでしょうか。

そんな老後資金にまつわる不安を和らげるのに役立つ本です。

田口智隆『金持ち老後、貧乏老後 豊かな老後のために、30代から準備すべき6つのこと』水王社(2018)

金持ち老後、貧乏老後

金持ち老後、貧乏老後

 

 

 

 


どんな本?

サブタイトルの通りなのですが「豊かな老後のために前もって準備しておくとよいこと」が6項目にわたって書かれた本です。

6項目は、お金、人間関係、健康、住まい、働き方、ライフワーク。

どの項目も、リタイアしてから「さあ考えよう」というのでは遅いので、現役のうちに準備しておこう(考えておこう)という主旨。

心持ちから具体的なやり方まで、ひととおり言及されている、という感じで、「漠然とした老後不安」対策の基本、一冊目としておすすめかな、と思いました。


よかったところ

老後お金に困る人と豊かな老後を送っている人の違いは何か

著者によれば、豊かな老後を送っている人は、あらかじめ「なりたい老後」をイメージし、そのための準備をしていた人だといいます。

一方、老後お金に困る人は、現役時代の生活レベルを保とうとする、という特徴があるそうです。

結果には原因があるものですから、よく考えたら「それもそうだな」という感じですよね。


周囲を見回してみると、私の伯母がまさに「現役時代の生活レベルを保とうとしてお金がない」人です。

伯母は独身で、ずっとバリバリ働いてきた人。
あの時代にそういう生き方をするのは大変な面もあっただろうと思いますが、仕事が好きでいつもハツラツとしていました。
自分に使う時間とお金があり、おしゃれで、姪の私から見ても素敵でした。

不穏な空気が漂いだしたのは、仕事を引退してから。
伯母はお金の使い方を変えられなかったのです。

働き続けたので年金はありますが、女性の給料が低かった時代ということもあり、金額は少ないほうだと思います(切り詰めればなんとか生活できる、というレベル)。

気の強い伯母は「金がなきゃ働きゃええ」という考えでしたので、引退してからもちょこちょこ働いたりはしていました。
とはいえ、気力体力十分の伯母でも、やっぱり体がついていかなくなります。

それにも関わらず、現役時代の習慣からか、デパートで食料品を買ってしまうのです。
デパートで買えば、スーパーと全く同じものでも割高です。
やんわり指摘しても「変なもん食べたくない」とこれまたこだわりが。

また、「買うこと」自体がストレス解消になっているらしく、頼んでもいない高額な洋服を私に買ってくれたりするのです(たいてい趣味が合わず、一度着るかどうか……)。

以前は不憫に思ってお金を貸していましたが、回を重ねるごとに私も辛くなってしまい、やめてしまいました。

年齢のせいもあるでしょうが、最近はお金の心配で頭がいっぱいのようで、性格まで変わってしまったように見えます。

そんな伯母の姿を見て、「一生懸命働いたのに、晩年になってもなお苦労しないといけないなんて……。なぜこうなってしまったのだろう」と悲しく思っていました。

よく考えれば当たり前だったのですが、「準備が足りなかった」のです。

先にも書いたように、伯母は「働けばええわ」一辺倒でしたので、年齢を重ねるうちに「仕事の種類が制限される」かつ「体がついていかなくなる」ことをしっかり想定していなかったのです。

まあ、自分の状況を冷静に見られていなかったのですよね。
「一人で何でもこなしてきた」というプライドがある分、周囲の意見も聞きませんし。


著者の「老後お金に困る人は現役時代の生活レベルを保とうとする」という指摘、そしてまさにそれを体現している伯母。
これらによって、改めて「準備」の大切さを思い知らされました。


では準備といっても、具体的にどうしたらいいのでしょう。
考え方はシンプル。

「今現在いくらかかっているか」を把握し、「老後はいくらかかるか」をシミュレーションする。
老後にかかる金額からもらえる年金額(予定)を引いた残りの分は、現役のうちに用意しておかねばならない、ということになりますね。


ただ貯めるだけではなかなか大変なので、どう増やしていくか、などについても言及されていますので、詳しくは本書をご覧いただければと思います。


おわりに

お金以外の5項目(人間関係、健康、住まい、働き方、ライフワーク)についても、現役時代からコツコツ準備しておく必要がある、と著者はいいます。
どの項目についても「なるほど」という感じでした。

忙しくて老後の準備どころではない、という方もいるでしょう。
私もモーレツ社員だった時代があるので、よくわかるのですが。

でも、忙しい人こそ、考えておいたほうがいいのかもしれません。
必死で働いたはいいけど満身創痍、となると老後も何もあったもんじゃないですからね。

「よくわからないけれど、とにかく将来(老後)が不安」という方におすすめの一冊です。

現役時代に準備した人だけが、老後の自由を確保することができる

田口智隆『金持ち老後、貧乏老後 豊かな老後のために、30代から準備すべき6つのこと』水王社(2018)P.165

 

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