親の存在が苦しい人のためのブックガイド

おもに親子関係や人間関係の本の感想です

毒親とうまくやるたった一つの方法は「自分を殺すこと」→結局距離をとるしかない

未熟な親は自己効力感を得るために子供を利用する

子供を支配・コントロールすることによって自分の不平不満や不安を解消しようとする未熟な親(以降、「毒親」とします)

そもそも、毒親たち(の多く)は「自分自身に価値を感じられない」人々だと私は思います。

自分が自分に対して「これでいい」と思えないからこそ、「何かが足りない」という空虚感に苛まれる。
「何か足りない」と思うからこそ「何かを得たい」となるのですよね。

その矛先を向けられやすいのが、弱者である「子ども」。

子供を支配したり、コントロールすることで、「自分には力がある」と錯覚するのだろうと思います。
たとえ一瞬でも、スカッとするのだろうと思います。
足りないものが、埋まったような気になるんでしょうね。

ただし、厄介なのは、毒親本人が「自分の足りないものを埋めるために子供を利用している」ことに全く気付かないこと。

むしろ「愛しているがゆえ」と完全に思い込んでいます。

愛だと思い込んでいるので、子供が「いや、ぼく(わたし)はこっちがいい」と自律性を示した途端、「こんなにしてやってるのに! 親の気持ちをないがしろにするのか!」となるわけです。

いくら親子でも、趣味嗜好・考え方が完全一致するなんて、まずありえません。
それなのに、「親と完全一致」でないと狂ったように怒るんですよね。

おそらく「自分を否定された」ような気になるのでしょう。
そのとき、埋めたはずの「何か足りない」が露呈するので、不安すぎて激昂するんでしょうね。

こういった、困った親とうまくやっていく方法はあるのでしょうか。

加藤諦三氏の『自分にやさしく生きる心理学』を参考に考えていきます。

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毒親とうまくやる=精神的な死

毒親とうまくやっていく方法はただ一つ。
「自分を殺して、ひたすら親に迎合すること」

しかし、これが長期に渡ると、子は本格的に病むようになります。

だって、自分の心を殺しながら生きているのだもの。
「心」という表現が曖昧だと感じる方は「脳」と置き換えてもいいかと思います。

自分の考えや意志が自然と湧いてくるにも関わらず、その都度「脳よ、働くな!」と言わねばならないわけです。

しかも、「意志を司る部分は働くな! でも、他の部分は働け!」という高度なことをせねばならないわけです。

心臓に「右心室は働くな! 左心室だけ動かせ!」と言っても、無理ですよね。実現しようとするなら、死んでしまいます。

心も同じだと思います。
自然な動きを封じ込め続けると、精神的に死んでしまうんです(その結果、肉体の死を招いてしまうこともあり得るでしょう)。

しかも、精神的に病んだ途端、あれほどしがみついてきた毒親は「あいつはもうだめだ」と言って、見捨てたりするんですよね。

それまでさんざん搾取してきた結果だというのに。


毒親は子離れできないので、自分から離れるしかない

毒親が子にしがみつくのは、「利用できる」からです。
子の存在によって、「自分(親)の心もとなさを解消している」からです。

安心材料なのだから、そりゃ手放したくないですよね。

だから、離れようとするとものすごい執念で追ってきたりします。

その迫力に負けて、親の言いなりになっていると、永遠に苦しい時間が続きます。

私も、子どもの頃から「親のいない世界に行きたい」と思いつつ、「でも親なのだから」「私がいなくなったらかわいそう」と、結局30歳頃まで親に合わせて生きてきました。

でもやっぱり、限界がありました。

結局のところ、こちらから徹底的に距離をとるしか解決法はない、という結論に至りました。

★具体的な体験談はサブブログで書いています。

experience.shishimoto-yuima.work


限界の限界まで耐えたし、100回考えても「この選択肢しかなかった」と確信があるので、距離をとったことによる後悔はまったくありませんでした。

むしろ「もっと早く自分の人生を生きればよかった」と思っています。

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参考文献

 加藤諦三『自分にやさしく生きる心理学 やっとつかんだ私の人生』

自分にやさしく生きる心理学 やっとつかんだ私の人生 (PHP文庫)

自分にやさしく生きる心理学 やっとつかんだ私の人生 (PHP文庫)

  • 作者:加藤 諦三
  • 発売日: 2017/02/24
  • メディア: オンデマンド (ペーパーバック)