ししもとの読書ノート

生きづらさの軽減をめざして

自分にできることだけをやってきた |感想『ヨシダナギの拾われる力』ヨシダナギ

はじめに

ヨシダナギさんを拝見したのはクレイジージャーニーというTV番組。

アフリカの少数民族の写真を撮る方です。

大変話題になったので、ご存じの方も多いかと。


かわいらしい容姿からは想像もつかぬ、その豪胆さに驚かされました。

少数民族と打ち解けるために彼女らと同じ格好をしたり(衣装によってはお乳すら露出している)、虫やらコウモリの丸焼きをばくばくと食したり。


そんなエキセントリックな行動からも「相当才能のある人なんだろうな」と興味を持っていたところ、出版されたばかりの本を発見。

ヨシダナギ『ヨシダナギの拾われる力』(CCCメディアハウス・2018)

ヨシダナギの拾われる力

ヨシダナギの拾われる力

 

 

 


どんな本?

出版社さんの目論見としてはビジネス書とのこと。

エッセイでもあるけれど、人生・生き方のカテゴリーに属する本だという印象を私は受けました。

「ヨシダナギさんって実際どんな人かなー」くらいの軽い気持ちで手に取ったものの、個人的にはかなり学ぶところがありました。

できることはとことん頑張る

ご本人曰く、いろんな人に拾われてここまで来た、とのこと。
そのように聞くと一見受け身のように感じられますが、とんでもない。


現状を受け入れる、その上で今何ができるかか考える、そして動く。

ということを常に実践している人だという印象を受けました。


そもそも、現状を受け入れるって、意外と難しかったりしませんか。

自分の力量から目をそらして無意識のうちに虚勢を張ってしまったりとか、間違った方向の努力をしてしまったりとか、周囲のせいにしてしまったりとか。
私はさんざんやってきました(汗)。

ヨシダさんは、自分ができないことを重々承知していて、できないことは人に任せるというのを徹底されています。

でもその代わり、自分のできることはとことん頑張る。
例えばアフリカで「何でも食べる」とか「脱ぐ」とか。
力を入れるべきところと抜くところの見極めがすごい。

「何でも食べる」とか「脱げる」という勇気は、私が他のひとよりもあると思われている数少ない強みだと思っている。そこで弱さを見せてしまうと、「結局、コイツ何もできないじゃん」と思われるのがオチである。

引用元:ヨシダナギ『ヨシダナギの拾われる力』(CCCメディアハウス・2018)(p.32)

 

できるところを精一杯伸ばす。

それが結果的に自分を生かすことにつながるのだろうと最近思うようになりました。


私自身は「完璧」を求められる環境にいて、子供の頃から努力して、苦手分野もある程度は克服してきました。

進路選択の際、苦手を克服するために、あえて苦手な分野に進んでしまったほどです。

でも、もともと苦手だから、努力してもあまり伸びないし、何より自分自身がつまらない。

結局、いい大人になってから、改めて進路を考え直すはめに。

この遠回りが無駄だったわけではないと思いますが、時間もお金も精神力もかなり消費してしまったことは事実です。


これからは、「苦なくできること」を、ほんの少しずつでいいから、とにかく続けて、長い時間をかけて能力を育てていこうと思っているところです。

(「何でも食べる」「脱ぐ」なんて難易度の高いことはとてもできませんが…)


失敗のとらえ方

もう一つ、ヨシダさんから学ぶのは、失敗に対する考え方。
失敗を全然ネガティブにとらえていないのです。

自分でも「失敗するだろうな」と思っていることは結構ある。それと同時に、「どう失敗するんだろう?」とも思っている。「失敗しないかもしれないじゃん」と囁いている自分もいるし、「失敗するに決まってるじゃん」と主張する自分もいる。だが結局は「失敗しても大したことはない」という思いが根底にあるから、やるだけやってみるのだ。

引用元:ヨシダナギ『ヨシダナギの拾われる力』(CCCメディアハウス・2018)(p.49)


え?

「どう失敗するんだろう?」???

失敗することが確定しているのにやるんだ!?と驚きました。

「一度でも失敗したら終わり」みたいなマインドで生きてきたので(それで結局失敗しているんですけど)衝撃です。

 

そもそも、やってダメだったことの何が悪いのだろう。どうして、そんなに失敗することが怖いのだろうか? 自分には向かないとわかって、次に進めるチャンスなのに。

引用元:ヨシダナギ『ヨシダナギの拾われる力』(CCCメディアハウス・2018)(p.32)

 

清々しい。
ほんと、その通りなのですけど、失敗ってやっぱり怖いんですよねぇ。

失敗が怖いタイプの人って、失敗をグジグジと責めるような人、常に後悔しているタイプの人が近くに(親とか)いたのではないでしょうか?

「あんたのせいで大変なことになったじゃない!」「よく考えずにやるからこんなことになるんでしょう!」としょっちゅう怒られたり責められていればそりゃ失敗も怖くなりますよね。

結果、失敗も少ないけど、成功もない(むしろ行動しないことで結局失敗している)。
ブレーキばかり踏んでいるので、いつもモヤモヤしている。


大人になった今、責任は自分でとればいいのだから、やりたいことはやってみる、の精神でいきたい。

けれど、なかなかそうすぐはモードを変えるのも難しい。
ブレーキ踏むのが標準装備なので。

できる範囲で、一つずつ、チャレンジを増やしていければいいなと思います。

おわりに

ヨシダさんは「ただ運の良い、拾われる人」なのではなくて、「(拾われるために)常に自分を整えている人」なのだと感じました。

そのために、「できないことはしないけれど、できることは本気でやる」とか、「自分にとって何が幸せかを考えて苦痛を排除していく」とか、「助けてくれそうな人を本気で探す」とか、必要な努力を見極めて実践している人なのだと。

なんでもかんでも努力するのではなくて、注力どころを知っている、そしてそこに関しては並大抵でない努力をする。

個人的に目指したい生き方です。