親の呪いを解いて自分の人生を生きる

アダルトチルドレン回復の記録

人間関係がうっとうしいのは過干渉母の「記憶」に反応していたからだった

草薙龍瞬『反応しない練習』の感想④です。

 

怒りや不安などの「ムダな反応」こそが人生のトラブルを招く。
反応してしまう前に、自分の心の状態を見、目的がかなう考え方をしよう。
そのためにはどうしたらいいか、という本です。


本書には「他人の目から自由になる」という章があります。

他人の目が気になるのも、結局「承認欲」があるから、ということで、非常に参考になる章だったんですけれども。

とりわけ、過干渉型の毒母に苦しめられた人に参考になる箇所があったので、自分の経験もふまえながら整理していきます。


「全員いなくなれ」という思いは、干渉を恐れていたから

他人の目が気になってしょうがない場合、「特定の人間」が影響していることがあると著者はいいます。

その具体例として、ある女性のケースが挙げられていたのですけど、「これ、私ではないか?」と思うほど自分と一致していまして。

この女性は、仕事はよくできるのですが、心の中にはいつもイライラがありました。自分の仕事の一つひとつが周囲にチェックされている気がするのです。表面は笑顔でいますが、内心は「ああ、うっとうしい」「みんな邪魔」「全員、いなくなれ」という不満が渦を巻いていました。休日になるとようやく解放された気がして、ひたすら布団にもぐって寝るという生活でした。そういうときに、友人や母親から電話がかかってくると、もうそれだけでキレてしまうのでした。
No.1360 


これ、まさに会社員をしていた頃の私です。
常に周囲に監視されているような気持ちでした。

「うっとうしい」「みんな邪魔」「全員、いなくなれ」と、本当に思っていました(一言一句同じなので驚きました)。

これ以外だと「誰も私に関わらないでくれ!」「お願いだから私に注目しないで!」とか。

休日はひきこもってひたすら寝ていた(というか何もする気力が湧かない)のも完全一致。

それがまたストレスを生むんですけどね。

「休みの日なにしてるの?」と同僚に聞かれ、「疲れちゃって寝てるかな」などとうっかり答えると……

「信じられない。よく平気だね」
「逆にストレス溜まらない?」
「私なら無理」
「うちの上司に話したら、その子ヤバいんじゃないの?って言ってたよ」

なんて言われるのがもう、ストレスでストレスでストレスで。

それこそ「うあー!!!! 放っておいてくれ!!!」って感じだったんですよ。
「すでにギリギリのところにいるからこそ、なんとか仕事するために寝てるんじゃー!!!」って。

この女性については、「母親に過剰に干渉された」記憶が強く影響されていました。蓄積された怒りもありました。その結生した記憶と怒りが、日常生活の中で刺激を受けて「うっとうしい」「邪魔だ」「みんないなくなれ」という思いを作り出していたのです。

位置No.1381



日常生活や周囲の人自体に「うっとうしい」と思っていたというよりも、過去の記憶が日常生活によって刺激を受けていた、という感じなんですね。

ちなみに本書に登場するこの女性は、病的に干渉してくる母のもとで育てられたそうです。
・人間関係、習い事、服、髪なども母に決められる
・娘が自分の意見を言うとヒステリーで暴れだす

(私と同じ!!)


一連の心理的な流れを言い換えるなら以下のような感じでしょうか。

母によって「地雷」が娘に埋め込まれた。

外からはどこに地雷が埋まっているかは見えないので、当然踏みそうになる人もいる。
一旦踏まれたら(=過度に干渉されたら)、それこそもう、大激怒してしまいそうだったんですよ。

でもそれは間違っている(一度干渉したくらいで大激怒されたら相手もショックだろう)し、なんとか避けねばならない。

爆発させないように、踏ませないように、人を遠ざけたかった(=みんないなくなれ)という感じだったのかな、と思います。


私が「干渉されること」の何を恐れていたのかというと、「干渉によって自分の意志を捻じ曲げられること」「自分の意志に反するものを選択させられること」だと思います。

それだけ、「自分の意志に反するものごとに一生懸命取り組む」というのは辛かったんですね。


過去の記憶に反応しなくなるために

このような、「過去の記憶に反応してしまう」に対して、本書で紹介されていたのは3つの処方箋。

①気づきはするが反応はしない
「これは記憶に反応しているのだ」
「私の中にまだ怒りが残っているのだな」

②体の感覚に意識を向ける
散歩、スポーツなど

③反応の源を断つ
(本書の女性の例でいえば)過干渉母と距離を置く。過去の記憶にも、現在の母にも反応しなくなるまで)


私自身も、③の「距離をとる」でかなり楽になったクチです。
距離をとれれば8~9割は解決したといっても過言ではないかと(距離をとるまでが超大変なのですが)。

ただし。
距離をとっても、「母の亡霊(記憶)」はついてまわるんです。

「100%自由に」とはなかなかいかなかったですし、罪悪感もありましたし。
10年近く経ってやっと、少しマシになってきた、という感じです。

しかも、いまだに他人から「干渉の気配」を感じると、「うわ……」と引いてしまうんです。一気に嫌いになるレベルの引き方です。

いちいち「一気に嫌いになる」反応だと自分も辛いし、困りそうですよね。
なので、今後は「記憶に反応しているな、まだ怒りが残っているんだなあ」と「思うだけ」で反応しない(①)ようにしてみます。


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