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子を病ませる生真面目母の特徴ー「べき」にこだわる・価値観押し付け・結果しか見ない|『母という病』⑤

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岡田尊司氏の母という病を読みながら、学び、感想をまとめ、今後の生きる力にしていきます。

本記事のポイント

わざわざお腹を痛めて生んだ子を傷つけてしまうのは、母自身が問題を抱えているから。先の記事で、不安定型自己愛型の母の特徴を学んできました。

本記事では生真面目型を扱います。
ここでいう「真面目」は、「融通がきかない」「人の気持ちよりも理屈、正論」タイプの母のこと。学んでいきます。

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生真面目型(融通が利かない)母の特徴

 母親は、「正しいこと」や「すべきこと」を要求し、理屈を並べ立て、子どもを力づくで動かそうとする。
 それができないのなら、見捨てると脅し、母親を苦しめる「悪い子」だと非難する。そうして思い通りに支配し、コントロールしようとする。

岡田尊司『母という病』ポプラ社(2012)P.191


うちの母は決してマジメなタイプではなかったですが、私が思い通りに動かないのは気に入らなくて、「見捨てると脅す」「悪い子だと非難する」→いやこれほんとまさに。

いかに人として未熟な行いであるか、今ならわかりますが、当時は「全部わたしがわるい」と本気の本気で思い込んでました。

いまだに、周囲の誰かが機嫌悪かったりすると「わ、わ、私のせいかな? なんか悪いことした?」となってしまい、生きづらいです。

価値観の押しつけ

 不安定な人は、自分の安定を図るために、しばしば盲目的な信仰や価値観、迷信的な儀式や占いに頼ろうとする。ほどほどにならば、さして害もないが、それが生活の中心になるほど肥大し、そこに子どもも巻き込まれることになると、影響は小さくない。

岡田尊司『母という病』ポプラ社(2012)P.197

いわゆる「宗教二世」とかもこれに相当するでしょうか(最近だと「反●●」などの陰謀論系もそうですよね)。

宗教にかぶれるまでいかなくとも、「謎のゲン担ぎを強要」や「一昔前の価値観押し付け」らへんは毒親あるあるかと思います。

たとえば私の母は、「夜中に爪を切ると親の死に目に会えない」を信じ込み、夜に爪を切ろうものなら鬼の形相で怒る人でした……そっちの行動のほうがよほど子を遠ざけるのに。

あとは、昔の価値観押し付けでいえば「女が勉強や仕事ができたら生意気・かわいくない」など、男尊女卑系のこととか。
(そのくせ、成績は一番じゃないとよそのお母さんに自慢できないので不服という矛盾)

「いま妊娠したら人生終わる」「襲われたら舌をかんで死ね」「こういう条件の人でないと付き合ってはいけない」など、恋愛に関するものとか。

どこまでも追ってついてきて、見張り、100回でも平気で言ってくるのが本当に嫌でした。

本書の引用部分にあるように、「不安定な人は、自分の安定を図るために」って、まさにそうだったと思います。
母自身の安定のためなので、100回でも言えるんですよ。

表面上「あんたのため」と言いますが、母が「子育てに成功した、と安心したいがため」だったんですよね。

しかも、子どもの頃からの習慣にさせられていますから、途中で突破するのも難しかった。
安心材料として利用され続け、若い時期を犠牲にしてしまったこと、本当に後悔しています。

表面的な結果ばかり見て子供の気持ちを考えられない

表に出る言動や行動だけで、物事を見てしまい、その背後にある気持ちを感じることができない。表面的な事実や結果にばかり関心が向いて、義務や理屈で考える。その結果、できていないことや欠点にばかり注意がいくことになる。
 そうしたタイプの母親に、何か困っていることを相談したりすれば、有効な助けを得られるどころか、困っていること自体を非難されたり貶されたりする。困っていること自体が、努力が足りないことであり、悪いことになってしまう。

岡田尊司『母という病』ポプラ社(2012)P.206

ひとことでいうと、これも「共感性の欠如」という感じですかね。

何か相談しようにも、母自身が困っていなければ困っていないことになるので「気のせいよ」とロボットみたいに繰り返すばかり。
かと思えば、いきなり学校にクレームをつけに行ってしまったりするから困惑しました。

求めていない場面では過干渉、本当に大人の力が必要なときこそ知らん顔、というのがとても堪えました。

また、「困っていること自体が、努力が足りない」みたいな考え方は、伯母(母の姉)や、父にもその傾向があったように思います。

とにかく忙しい母のパターンもある

最近は共働き家庭が増えてきたので、あまり書くのもアレかと思いましたが、一応。

共感性・愛情とも持っている母親でも、あまりにも忙しくて、保育所に預けている時間が長いと、子どもの気質によっては愛着障害になってしまうこともあるそうです(全く影響ないタイプもいる)。

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おわりに

子を病ませる生真面目母の特徴をまとめると

・理屈や「~べき」にこだわる
・価値観の押し付け
・表面的な結果しか見ない(背景にある気持ちに無関心)

最近でこそマシになってきましたが、私も若い頃は「すべき」で生きていたので、もし若くして母親になっていたら、このタイプだったかも、とちょっとヒヤッとしました。

正しさへのこだわり、価値観の押しつけなどは、やられるほうは本当にきつかったので、自分自身にも、人にも、やってしまわないように気をつけようと改めて思います。

参考文献

母という病

母という病

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※本記事に記載のページ数は単行本のものです。リンクがなかったため、新書版のリンクを貼っています。