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子を病ませる不安定母の特徴ー突然キレる、愚痴、依存的、母子の役割逆転|『母という病』③

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岡田尊司氏の母という病を読みながら、学び、感想をまとめ、今後の生きる力にしていきます。

本記事のポイント

わざわざお腹を痛めて生んだ子を、結果的に傷つけてしまうのはなぜか、というと、やはり何かしらの問題を抱えていることがほとんど。

本書では次の3つに大別されています。
・不安定型
・自己愛型
・生真面目型

どれか一つだけということでもなくて、まじりあっているのが現状かなと思います。
本記事は不安定型について学びます。
 

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不安定母あるある

心に不安定さを抱え、そもそも母自身が生きるので精いっぱいなタイプ。
子育てをしている場合じゃなく、先に自分を育てる必要がある人です。

態度が一貫しない

さっきまで普通だったのに、突然理不尽なことで怒り狂ったりするの、あるあるですよね。

 見通しをもって対処できないということが、子どもの心に深刻なダメージを与える。
 同じ事態が起きても、あらかじめ予想ができ、どう対処すればよいかがわかっていれば、害はずっと小さくなるのだが、そうでないことが次々に起きると、子どもは、この世界は、いつ何が起きるかわからない、脅威と危険に満ちた場所で、ただ翻弄されるしかないものだと学んでしまう。

岡田尊司『母という病』ポプラ社(2012)P.141

 

これ、すごいわかる……

(具体例:「みんなのうた」を口ずさんでいたら母が猛烈に怒り出した

夫婦喧嘩も壮絶だったので、親はいつ襲い掛かってくるかわからないという恐怖に、成人後も悩まされていました。

子をはけ口にする

子どもを感情のはけ口に使うのも「あるある」ですよね。

 母親から、人の嫌な面や悪口ばかり聞かされた子どもは、その相手に否定的な気持ちをもつだけでなく、人間全般や世界というものに対して、嫌なものだという否定的な見方を植え付けられる。

岡田尊司『母という病』ポプラ社(2012)P.152


母は父のことを悪く言い、父は母のことを悪く言う。
双方の血を受け継いでいる私は一体何なんだろうと、引き裂かれる思いでした。

〈AC回顧録・高校時代〉父の愚痴も母の愚痴も、子である私に突き刺さる 

〈AC回顧録・中学時代〉母の味方をしないと「あんたもいつか絶対ひどい目に遭うんだからね」と呪いをかけてくる

 

夫の言いなり/依存的

 強さに欠けた母親の特徴は、依存的で、主体性に乏しく、自分では決断しないが、それでいて愚痴っぽいという形で現れる。
 母親といえども、誰かに頼らずには生きていけないという弱々しい生き方は、子どもに、人生が自分の力で切り開くものというよりも、気まぐれな運命に身を任す、不如意で予測のつかないものという印象を刻み込むことになる。

岡田尊司『母という病』ポプラ社(2012)P.153

なんだかんだと文句や愚痴を言うわりには「でもお父さんがこう言ってるから」などと依存的なんですよね。

「自分では決断しないが、それでいて愚痴っぽい」
まさに!私の母もこれでした。

子どもは、親の背中を見てしまうので、親の行動様式を踏襲してしまうのだと著者はいいます。

結果、子のほうも「自分を抑えて周囲に合わせ、でも、本人不満なので愚痴っぽい」生き方になります。

お恥ずかしながら、私も若い頃これでした……。
愚痴っぽいので、当然、周囲からもあまり好かれません(最初はいいのにどんどんぎくしゃくしてくる)。

でも、私としては「我慢=偉いこと、努力」なので、「こんなに頑張っているのに、なぜ誰も認めてくれないんだろう」と不思議で仕方がなかったんですよね。

いくら頑張っているつもりでも、愚痴っぽかったり機嫌が悪ければ、そりゃ好かれませんよね…

だったら、満足いくように生きればよかった……と今は思いますが、親の顔色をうかがっているからそれも全くできなかったんですよね。

子ども側が合わせてくれていることに気づかない

いわゆる「何でも話せる友達のような関係」の親子。
一見いいように聞こえますが、これは単に子どものほうが合わせているだけ。

父との離婚や、新しい恋人との関係の悩みまで話してしまい、子どものほうは内心傷つきながらも「こう言ってあげたほうがお母さんは幸せになるかな」などと合わせてあげているんですね。

でも、母のほうはまったくそれに気づいていないという。

母親は、自分の気持ちと子どもの気持ちを混同していることに気づかない。母親の方が言いたいことを言い、感情を吐き出し、子どもの方が我慢している。甘えているのは母親の方で、子どもの方が甘え損なっている。

岡田尊司『母という病』ポプラ社(2012)P.159


私の母も、いつも父方の親戚やらと揉めて、怒り狂っていました。
つい母の機嫌をとりたいがために、私も母に加勢してしまったこともあります(例:ACが育った環境を振り返るー同じ意見以外受け入れられない母の二分思考)。


でもそんな自分を冷静に見る自分もいて、「私、何やってんだろ……」といつも思っていました。

子ども側はずっと負担に感じているのですが、それを態度に出すと、大騒ぎするのも不安定母の特徴。

単に、これまでの鬱憤がたまっての結果なのですが、「〇〇ちゃんと仲良くしだしてからおかしくなった」とか「変な男にだまされてるんじゃないでしょうねっ」などと騒いだり、勢い余って苦情の電話をしたりするのがもう、ね。

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おわりに

サラッと書くつもりが、あまりにも「うちの母すぎる」ので、つい長く書いてしまいました……。

母自身が未熟で「子育ての前に自分を育てる必要のある人」だったのですが、そういうことに気づく能力もなく、母自身も愛着障害やその他障害を抱えていたので、(仕方なくないけど)仕方ないということにするしかないというか……徒労感でいっぱい。

私は29歳で縁を切りましたが、(絶縁までいかなくても)もっと早く離れておけば、と思わないでもないです。

まあとにかく、離れてから私の幸せ度がものすごく上がったのは事実なので、自分の選択は間違っていなかったなあと思います。

まとめ

自身が生きていくだけで精一杯の母親あるある
・突然キレるなど態度が一貫しない
・子に愚痴を垂れ流す
・自分で決めないのに文句ばかり
・子どもが合わせてくれていることに気づかない