親の呪いを解いて自分の人生を生きる

10年かかったけどなんとか回復してきた

〈AC回顧録・中学生〉「あなたは良いんだけど、お母さんがね……」と先生に言われたのはショックだった【母と絶縁するまでのこと】


過去の痛みを成仏させるため、自分の育った家庭を改めて客観視する作業をしています。(関連記事一覧はこちら>>>【もくじ】いかにして私はアダルトチルドレンになっていったのか【体験談】)。


学校の先生のひとことって、良い意味でも悪い意味でも、意外としっかり残りますよね。
もちろん先生も人間ですから常に完璧というわけにいきませんし、激務ですし、生徒側との相性もありますから、先生のことを批判するつもりはありません。

生徒から嫌われるのを覚悟であえて悪役をかってくれている場合もしばしばあるでしょう。

ただ、私にとっては「書いて成仏させないといつまでもネガティブな形で残ってしまう」というひとことがあったので、詳細を書いていきます(先生を批判するのが主目的ではなく、自己治癒のためです)。

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いまだに思い出すと胸がしくっとする

チトセ 教卓 YKN-10-ST2G

中学時代のうちの一時期を担任してもらった先生のこと。

最初のうちは、気に入ってもらっているような雰囲気があったのですが、しだいに、「先生、私のことあんまり好きじゃないっぽいな」と感じるようになっていきました。

もちろん、私に未熟なところがあったのも確かです。
勉強ができることを鼻にかけている感じが、口には出さずとも透けて見えていたのでしょう。

先生は、私の危うさに気づいて心配してくださっている、というよりは、(もちろん心配もあったでしょうが)「なんか気に入らない」という感じのように見えました。

私と話すときには、小さな苦虫を嚙み潰しているというか。

他のクラスメイトのことは下の名前で呼ぶのに、私のことは一貫して「苗字+さん」で、一度も親しみをもって呼びかけられたことがなかった。

なんとなくですけど、先生は、先生ご自身の嫌な部分を、私を通して見ているのでは?ということをちょっと思ったりもしました。

「あなたは良いんだけど、お母さんがね……」

どういうタイミングだったかは忘れてしまったのですが、その先生にこう言われたことがあります。

「あなたは良いんだけど、あなたのお母さんがね……」


あまりにもショックすぎて凍り付くような表情をしてしまったのを覚えています。

言葉通りの意味もあるでしょう。
でも、先生が本当に言いたいことは別のところにある、というのは、中学生でもわかりました。

(あなたのお母さん、ちょっとズレてるから、あなたもズレてるんだよ。それに気づいて自分の行動を改めなさいね)

確実にこれが言いたいのだということが伝わってきました(本当に人間って、言葉にしなくても本当にいろいろ伝わってしまうものなんだな、と思います。個人差はありますが)。

先生がおっしゃったことは、正論というか、現実というか、真実だと思います。
今の私が、中学生当時の私を見ても同じことを思いますから。

けれど、中学生の頃の私には、先生が正しいとわかっても、とても受けとめきれませんでした。

先生もきっと、私が受け止めきれないだろうということはわかっていたでしょう。
また、私がうっかり口を滑らせて母に伝わってしまったら、母が学校に乗り込んでくるのも目に見えている。

だからあえて、遠回りな言い方をなさったのだろうと思います。

先生の頭のなかには「今の〇〇さん(私)にはよく理解できないかもしれない。でも、いつか気づいてほしい。それが本人のためだから。いつか気がつく日のために、言っておこう」という考えがあったのでしょう。

そこまでわかってもなお、私はショックでした。

ほんの少しの「裁き」が混じっているのも感じてしまったからです。
気に入らない人間に、正論でくるんだ裁きを下すことで、ちょっとだけスッキリしていることもわかったからです。

先生の意識では、「100%生徒のため」だったでしょう。
でも、もし、本当に私のことを心配してくれているのだったら、「勉強とか行事とか、追い込みすぎてない?」から始めるとか、言い方があったと思います。

おそらく先生も、同じようなやり方で誰かに裁かれてきたのだろうと思います。
やられたことは、相当気をつけないと、どこかで別の誰かにやってしまうのです。

「あなたは良いんだけど……」に対して思ったこと

上に書いたようなことが頭を駆け巡ったあと、こんな反発が浮かんできました(口にはしませんでしたが)。

先生、うちのお母さんがおかしいことくらい、私だってわかってます……。
だからといって、私にはどうしようもできないのに、どうしろと言うのですか……。

殴る蹴るじゃないのだから、児童相談所にも行けないでしょう?
私が児童相談所に相談に行ったって、「まあまあ、おかあさんもあなたのことが心配なのよ」みたいになだめられて、帰されるだけでしょう?

家出したところで、鬼の形相をした母に連れ戻されるだけ。
連れ戻されるだけならいいけれど、そこから何週間も何か月も、夜中までグチグチねちねちやられる、軟禁される、子どもの頃みたいに。あれは地獄です。

先生、うちの状況は何も改善できないんだから、何も言わないでください。

私は今日、学校が終わっても、先生の指摘した「ヤバいお母さん」と、一緒にいなければならないんです。明日も、明後日も、です。

血がつながっている以上、そんな親と、これからも関わっていかなくちゃいけないんです。
この絶望、先生にはわかりますか?


あくまで先生は、「学校にいる間指導してくれる人」ですし、40人近くに目を配らなければならないわけですから、家庭のことまで全部理解してくれと望むのは無理であることはわかっています。

でも、まあ、中学生当時は「先生」を大きく見ていましたので、ただただ悲しくてつらかったですね……。

先生にしてみれば、別に母のことを非難しているわけでもなくて、私が行動を改め(=成績を鼻にかけるような態度をとらない)さえすれば満足だったのでしょうけど。

確かに、私の態度で傷ついた人もいたかもしれないので、先生のおっしゃることもごもっともです。

でも、私も限界だったのです。

「成績がどうのこうの」「〇〇ちゃんはできてるのに」「内申点が」などと母に毎日やられ、学校でも「いい子」でいるべく気を張っていた私は、もう本当に精一杯だったのですよ。

これ以上、何をどう頑張ればいいの!?という、怒りにも似た気分だったのですよ。

そうやって私が追い詰められている一方で、成績が良くなくても楽しそうに生きている人もたくさんいる。
うらやましくて悔しくて仕方がなかったのです。

「私は成績が良いから、それでいいんだ」と成績にすがるしかなかったのです。

あのときの気持ちが未消化だった

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先生に自分の気持ちを伝えられなかったために、もう30年以上経っているのに、私はまだ引きずっているのだろうと思います。

その場で言い返すのは、生徒とという立場的には難しいですから、せめてこうやってひっそり書き出してみたらよかったのかな、と思います。

でも、母に見られたら大変なことになるので、家で何かを書くのは難しかったのです(基本、日記とかは盗み見る人)。

それでも、放課後に図書館でも行ったりすればよかったのかな。
いや、だめだ……帰りが遅いと学校に電話してくる人だから。

強固で、でも他人からは見えない首輪をつけられていて、八方ふさがりでした。

【今思うこと】

今の私は、あのときの先生くらいの年齢になっていると思います。

中学生の頃は、大人って完璧に近いような存在なのだろうと思っていましたが、自分がいざ大人になってみると、全然そんなことはないですよね。

むしろ、精神的な面では成長の途中だと実感しています。

若い人の役に立ちたいと思って、よかれと思って、何かをしたとしても。
それが的外れだったり、余計なお世話だったりもするのもよくある(そもそも時代が変わっていっているのだから)。

だから、先生の言葉は、たしかに非常に大事な示唆を含んではいたけれども、ショックを受けすぎることもなかったんだなあ、と今は思います。

先生とはいえ、一人の人間ですしね。

教員になった友人を見ていると、「生徒の手前、ちゃんとしなくちゃ」という縛りがあるのでしょう、抑圧されている人が多いなと思います(親が先生で厳しくしつけられたというケースもめちゃくちゃ多い)。

教員になった友人にだって、自分と同じく、未熟なところはありますから、「”先生”という存在に求めるレベルが高すぎたのだな」とも今は思ったりします。

年齢を重ねると、自然といろいろな立場を経験することになるので、より人の気持ちがわかってくるようになりますね。

そういう意味では、老化というよりは成長なのだな、と思います(少なくとも中年期においては)。

【この経験から学ぶこと】

長くなったので、別の記事にしました。

思っていることは想像以上に伝わるので、自分のことも人のことも否定しない心でありたいと思う

人間関係において「なんとなく感じた」ことは、けっこう当たっているのではないかと思う

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