過去の痛みを成仏させるため、自分の育った家庭を改めて客観視する作業をしています。(関連記事一覧はこちら>>>【もくじ】いかにして私はアダルトチルドレンになっていったのか【体験談】)。
皮膚むしり症の症状が最初に表れたのは、幼稚園のころでした。
母から「爪がおかしい! 奇形!」と指摘されるのもまた、辛かったです。
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皮膚むしり症について
名前のままなのですけれども、健康な皮膚をむしらずにはおれない精神症状です。
皮膚むしり症(ひふむしりしょう、英語: Excoriation disorder)とは皮膚を剥がしたり、引っ掻いたりして傷つけずにはいられなくなる 精神障害である。スキン・ピッキングとも呼ばれる。
私の場合、不安やどうしようもないほどの焦燥感を感じたときに、爪の甘皮をはがしてしまうのが始まりでした(のちに爪まで剥がすようになる)。
不安が高まると爪を傷つけてしまう
幼少のころから親との関係が安定せず、常に不安で一杯だった私。
不安が高まると、「どうしよう、これ以上不安が高まったらどうにかなってしまう」というような焦燥感に囚われるようになりました。
そんなとき、手指の爪の生え際を傷つけるようになっていました。
やり始めたのは幼稚園児でしたので、ほぼ無意識というか、いつの間にかやっていたという感じです。
爪を傷つけると、一瞬だけホッとするんです、なぜか。
でも、一瞬ホッとした後、「またやってしまった」みたいな罪悪感もあるので、ストレス解消になっているんだかストレスの源なんだか、よくわからない状態になります。
母から指摘されるのがこわい
爪の生え際を傷つけていると、爪に不気味な横線が断続的に入るようになります。
ある日、とうとう母がそれに気づきました。
「あんた! 爪がおかしい! 奇形じゃないの!?」と。
そのときの指摘っぷりが、鬼の首をとったかのような、というか「あー!悪いことしてる!罰してやる」みたいな態度で、それ自体がとても傷つきました。
私だってやりたくてやっているのではなかったからです。
私のことを心配するよりも、「罰してやる!」という感じなのです。
「責める理由みーつけた!」みたいな。
そして、かかりつけのお医者さんのところに連れていかれ、「この子、爪が変なんです!」と見せられました。
まるで、公開処刑されているような気持ちでした。
でも、そのお医者さんは、一瞬「あっ」というような感じのあと、「なーに、全然、大したことない、大丈夫大丈夫」とかなり明るく言ってくれました。
多分、私にストレスがかかっているのがわかっていて、でも詳しく説明するとまた母が怒ったり監視したりするので、あえて明るく言ってくれたのではないか。
そういった機微が、子どもの私にすらわかるような、そんな明るさだったのを、非常によく覚えています。
お医者さんのあまりにもあっけらかんとした様子に母も安心したのか、それ以降、母は私の爪を気にしなくなりました。
本当に名医で、あの先生でなかったら今生きていないと思うほど、助けてもらいました。
しばらく症状落ち着くも、のちに再発
お医者さんの「気にしなくていい」のおかげで、小・中・高のあいだ、皮膚むしり症はおさまっていました。
本格的に悪化したのは会社員になってからでした。
むしるものがなくて、爪まで剥がしていました。
この体験から学ぶこと
皮膚むしり症について、私の体験から思うのは、「気にすればするほどやめられない」ということ。
あのときお医者さんが「なーんだ、大丈夫」と明るく言ってくれなかったら、母に毎日指摘されていたでしょう。
それが新たなストレスとなり、やめなくちゃと思うほどますますやめられず、皮膚むしり症はエスカレートしていっただろうと思います(実際、大人になって再発したときは気にしすぎたため、本当にやめられずに困った)。
だから、人様の手がボロボロとか傷があるとか、そういうのを見つけたとしても、「何か事情があるんだな」と思って、むやみに指摘したりせずにそっと見守るようにしたいと思っています。
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