ししもとの読書ノート

生きづらさの軽減をめざして

浪費かどうか、自分に問う習慣をつける |感想『頭の中の貧乏神を追い出す方法』

かつて、ものすごく節約をしていた時期がありました。
家庭の事情で、自分のお給料のほとんどを搾取されていたからです。
さらに親戚にもお金を貸していました。

自分の将来のためにお金を貯めたい気持ちもあったので、節約に拍車がかかり、もはや「なんでもかんでも我慢する」というような苦境でした。

どんなにノドが乾いても、自販機で飲み物を買うことすらためらうほど。
超寒がりなのに、冬の早朝五時半でも秋物のペラペラのコートで出勤していました(日常的に体が冷えて、寒かった記憶しかありません)。

職場の歓迎会や送別会も悩みの種。
参加すれば、数千円は吹っ飛びますから、負担で負担で仕方がなかったです。
とはいえ、お世話になった人をお送りしたい気持ちもありましたし、飲み会も仕事の一部と思うところもあったので、できるだけ参加はしていました。
でも、支払う五千円を前に「これがあったらユニクロでコート買えるのにな」と、泣き出したいような、悔しいような気持ちでした。


今考えると、飲み会もそこまで無理して行かなくてよかったはずだし、そもそも実家や親戚への送金をなんとか断ればよかったのですけれども、当時は「人にどう思われるか」ばかり気にしていたので、できなかったのです(今はやめました)。

「こんなに働いているのに、しかも節制しているのに、自分の手元に全然お金が残らない」というむなしさ。
苦しいだけで何も残らなかった。
その経験を通じて「働くことがバカらしい」とまで思うようになってしまいました。


当時の経験から「なんでもかんでも我慢する、というスタイルは自分には合わない。ある程度のお金を使わないと人生が行き詰まる」と理解したので、それ以降は財布のひもを少し緩めることにしました。

現在は、本当に欲しいものは買うし、健康維持のための医薬品も買うし、行きたいところにも行くようになったし、住みたい部屋にも住んでいる状況です。
節約の敵と称されるカフェにもしょっちゅう行く。

おや……。
むしろ最近は、財布のヒモを緩めすぎではあるまいか?

急に背中が寒くなってきたので、こちらの本を読みました。

菅原道仁『頭の中の貧乏神を追い出す方法 世界一役に立つお金の授業』KADOKAWA(2019)Kindle版 

頭の中の貧乏神を追い出す方法 世界一役に立つお金の授業

頭の中の貧乏神を追い出す方法 世界一役に立つお金の授業

 

 

 


どんな本?

本来の脳の特性からすると、「放っておくと浪費する」そうです(本書ではこれをビンボー脳と呼ぶ)。

標準装備のビンボー脳からリッチ脳(自然とお金が増える癖をもつ脳)になるにはどうしたらいいか、ということを、脳の特性から解説している本です。


著者は脳神経外科のお医者さん。
ちなみに私、もう十年以上前になりますが、この著者(菅原先生)に実際に診察してもらったことがあるのです。

当時ひどい頭痛に悩まされていて(視界がギラギラして見えにくくなるやつ)、近くの脳神経外科に行ったところ、たまたま担当してくださったのが菅原先生でした。

一度診察していただいただけですが、どうして今でも覚えているかというと、「こんなにイケメン(当時おそらく30代、某俳優さんに似ておられた)でしかも脳神経外科のお医者さん、さぞかしおモテになるのだろうなぁ。天は二物を与えるのだなあ」なんてことを思ったからです(汗)。

わりと近所のクリニックなので、通っている人も身近にいて「先生誰だった?」なんて会話もしたので、お名前も記憶に残っていました。

ちょっと話がずれましたが、診ていただいたことのある先生の本となると、勝手に親しみを覚えます。

よかったところ

お金を貯めるには
①浪費を減らす
②収入を増やす
の二つの軸がありますよね。

本書前半では、①浪費を減らす、という観点で書かれています。

衝動買いをしやすい状況が11パターンほど挙げられているのですが、脳の持つ性質から考えると「あー、そりゃ仕方ないかもな」とも思えてきて、納得がいきました。

なんでもかんでも我慢、ではない

私が一番納得したのは、「頑張ったあとは我慢できない」ということ。

例えば、仕事帰りのショッピングでは「今日は仕事頑張ったからいいか」とつい購入してしまう。
あるいは、普段から無理な節約をしていると、あるとき「今日はいいか」と財布のヒモを大解放してしまう、と。

ああ、私、まさにこの例ですね。
私の場合、激しい節約(というかただの我慢)を続けた結果、現在の「少しくらい財布のヒモを緩めてもいいか」があるわけで。

つまり「なんでもかんでも我慢」は、そのときは浪費を抑えられたように見えるかもしれないけど、長期的にみると効果的でないのですよね。

著者も「とにかく我慢」というわけではなくて、浪費かどうかを問うクセをつけることが大事、と述べていました。

「すべて我慢」ではなくて、「本当に欲しいもの・ことには使う、そのために無駄なところには使わない」ということですね。

本書では、この「無駄なところに使わない」具体的な方法も書かれています。
脳の特性を利用して「衝動買いを抑える」アクションもあれば、「固定費を見直す」「還元率の高いクレジットカードをつくる」といった、現実的な(ファイナンシャルプランナーが提案しがちな)手法も紹介されていました。

読んだ内容を実践してこそ、本は威力を発揮しますから、早速私も「固定費を見直す」を実施しました(ベタですが)。
電気とガスの契約を一本化して、少し安くなるプランにしました。


 

脳力をアップして収入もアップするには

さて、浪費はある程度抑えることができるようになった。
となれば収入アップの話です。
本書後半では、脳力をアップさせて、収入もアップさせよう、ということが書かれています。

具体的にどうしたらいいかというと

脳力を上げるには、あなたが知っていること、得意なことを「出力=アウトプット」すればいいんです。

菅原道仁『頭の中の貧乏神を追い出す方法 世界一役に立つお金の授業』KADOKAWA(2019)Kindle版 位置No.1383

 

インプットに比べ、アウトプットは自発的に行う必要があるのでめんどくさい。
だからこそ、脳が活発に働く→脳力アップというわけです。

アウトプットしてさらに「発信」することで、人とつながり、その関係性によって「活躍の場」が与えられ、最終的に収入アップにもつながる可能性がある、とのこと。

私も知人との何気ない雑談がきっかけで、仕事をいただいたことがあるので、「発信→人とつながる→活躍の場」は侮れないと思います(まあ、そう頻繁にあるわけでもないので、焦りは禁物ですが)

ただしこのアウトプット&発信、注意点が。

発信すべきは、「それを受け取った相手が、得をするかどうか」。
相手が喜んでくれるかどうかが、すべてだと思っています。

菅原道仁『頭の中の貧乏神を追い出す方法 世界一役に立つお金の授業』KADOKAWA(2019)Kindle版 位置No.1446 

 

これもいろんなところで言われることですが、一理ありますよね。

身近な例で考えると、自分のことばかりマシンガンのようにしゃべる(アウトプットする)人はあまり歓迎されない傾向がありますしね。
あるいは、求めてもいないアドバイスをしてくる人も面倒がられますしね。

まさしく、「相手(受け手)が喜ぶかどうか」の一言に尽きそうです。

とはいえ、発信する側にも自由はありますから、結局のところ自分が何に重きを置くか、にはなると思いますが(相手に合わせすぎて自分が苦しくなっては本末転倒ですので)。

収入を増やすことを考えるのであれば、「どれだけ人を喜ばせられるか」にある程度比例すると考えることもできるので、「他人の幸せを考える」のは一つのポイントなのだろうなと思います。

なお、収入や貯金を増やしたいあまり、お金のことばかり考えるのはNGだそうです。
なぜかというと、他人を寄せつけなくなるから。
人との縁がつながらない→活躍の場も与えられにくい。
脳的にもよくないそう。

多くの相手と接してたくさんの刺激を受けたほうが、脳が発達するということです。

菅原道仁『頭の中の貧乏神を追い出す方法 世界一役に立つお金の授業』KADOKAWA(2019)Kindle版 位置No.1491

 

これも理解できます。
人と接すると、自分の枠が広がるのを実感することがありますから。

ただ、「多くの相手」の内訳にも注意が必要ではないかと個人的には思いました。
あくまで私の経験上ですが、知らず知らずのうちに(親あるいは自分と)似たタイプの人が寄ってきてしまい、結果的に「似たタイプの多くの相手」と接していた気がするからです。

それが良い方向にいけば問題ないでしょうが、いつも「利用されている感」に陥るのであれば、(自分の問題が解決しないうちは)孤独であるほうが状況を悪化させずに済む場合もある、と思ったりします。
(※健全に育った人は気にする必要はないです)


ちょっと逸れましたが、収入アップのカギは「他人のためになるような情報を発信せよ」ということでした。

 


お金は「手段」にすぎない

そもそも、なぜお金が欲しいか、というと「自分の望む人生を生きたいから」ですよね。
ということはつまり、「自分が何を望んでいるのか」を正確に把握することが大事。

正確に把握できれば、具体的にいくら必要なのか等もある程度の予想がつきますから、焦ったり不安になったりすることも避けられます。
(本書では「自分の望む人生」をあぶり出すワークも載っています)

どう生きたいか、を具体的に考える。
そのために貯める、使う。
というわけですね。

 

おわりに

無理な節約→その反動で財布のヒモ緩めすぎていた私。
本書を読んで久々に気が引き締まりました。
無駄な浪費も増えていたので、また少し気をつけるモードにしようと思います。

ただし、「なんでもかんでも我慢」でなく。
本当に欲しいものや体験したいことを見極めつつ、が今後の課題となりそうです。


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