タイトルのインパクトにつられて読んでみたのですが、とても良い本だったので紹介します。
とくに、30代後半以降の女性には、なにかしら参考になるところがあるのでは、と思います。
藤森かよこ『馬鹿ブス貧乏で生きるしかないあなたに愛をこめて書いたので読んでください。』KKKベストセラーズ(2019)
どんな本?
「ほんとうの低スペック女子向き自己啓発本がない」ということで書かれたのが本書。
(たしかに、商業出版できている時点で何かしらの才能がありますからね。ましてや、長年残っているベストセラーなんかは言わずもがな)
本書の著者自身も「馬鹿ブス貧乏」と自称しておられますが、元大学の先生ですし、誰もが納得するような「馬鹿ブス貧乏」ではないです。
ですが、本書でいうところの「馬鹿ブス貧乏」とは
・何かあればすぐに食いつめるという意味での貧乏
・顔やスタイルで食っていけないならブス
・ちょっと努力しなければすぐゴミになる→馬鹿
この定義であれば、あてはまる人もけっこういらっしゃるのでは。
私自身もそう。
勉強は得意なほうでしたがその知識を社会であまり生かすことができていないので、実質的には馬鹿です。
会社員を続けられず、今はゆるゆるとしか仕事をしていないので、貧乏です。
若い頃から不安と不満のコンボで口がへの字、そこに老化が加わって「普通にしていると悲壮感漂う」ので、ブスです。
(いざこうして並べて書いてみるとつらい……)
青年期編(37歳まで)、中年期編(65歳まで)、老年期編(死ぬまで)の三部構成になっており、その時期ごとに考えること・やっておくとよいこと、などが書かれています。
私はもう青年期を過ぎてしまったので、青年期編に書かれていることは「わわわわわ、わかるー!!!!」という感じでした。
「もっと若い頃にこの本があれば!」と悔しい気持ちでした。
とはいえ、中年期以降のところはこれから踏み入れる領域なので、「ふむふむふむふむ」と没頭して読みました。
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「馬鹿ブス貧乏」が常に留意する大指針
本書のよかったポイントは、今後の記事でもピックアップしていくと思いますが、本記事では前提となる「常に留意する大指針」を紹介します。
私自身も忘れたくないところ。
「現実」と「一般通念」をごっちゃにしない
一般通念とかその時代の支配的考え方は、所詮はファンタジーであるかもしれないと常に疑うのは、馬鹿なあなたにとっては面倒くさいことだ。でも、あなたは馬鹿で貧乏だからこそ、この種の一般通念に騙されやすい。どうでもいいことに悩みやすい。
現実とファンタジーを区別するということは、自分にできることとできないことを区別するということでもある。自分はひとかどの人間だとか有能だとか善意の塊とか錯覚しないことだ。
カネがないとできないことを、カネがないのに、カネの合法的調達もできないのに、しないことだ。これは、個人でも組織でも同じことだ。私たちは政府ではないので、通貨発行権はない。
藤森かよこ『馬鹿ブス貧乏で生きるしかないあなたに愛をこめて書いたので読んでください。』KKKベストセラーズ(2019)p.39
いやー、グサッときました。
私の場合は、「母の主張」が「常識・世間(一般通念)」として強く刷り込まれしまい、かなり苦しい青年期を過ごしました。
考えること自体を封じられていたので(>>>私はいかにしてアダルトチルドレンになっていったのか 【体験談】 )、やむを得ない部分もあるのですが、せめて二十歳前後で「いわゆる”常識”って、ほんとうに正しいのか」とか立ち止まる必要があったと、とても後悔しています。
具体的な例をひとつ挙げると「勉強ができないと将来大変なことになる」系のことですかね(今でも多少ありますかね?)。
大人になって改めて冷静に周囲を見回してみると……
学校の勉強が得意でなかった人が全員大変なことになっているかというと、全然そんなことはありませんよね。
勉強が得意でなかったとしても、他に興味のあることや得意なこと、得意でなくてもなんとかこなせること、を生かして楽しそうに生きている人がたくさんいるのではないでしょうか。
「なーんだ、あんなに追い込んで勉強したの損した。もっと学生生活自体を楽しめばよかった」と今は思っています。
たしかに「勉強」ができると、つぶしが利きますし、もちろんいい面は多々あります。
でも、私のように、勉強にとらわれて潰れてしまったのでは、「よい結果」とは言えないように思います。
まさに「一般通念とかその時代の支配的な考え」に騙された苦い思い出のひとつです。
ほかにも大量にあります。。。
今後は気をつけたい、と思っていますが、そう思っている今ですら、諸々危うかったりします……。
おわりに
「常識」や「一般通念」を言い換えると、「こうしておくとスムーズ」とか「トラブルが少ない可能性が高い」みたいな便利な面もあると思うので、それ自体は否定しなくてよいと思っています。
ただ、「これが常識と言われているけど……自分にとってはなんか苦しい」と思うのであれば、「その一般通念は真実なのか?」と考えてみるのがいいなと感じます。
何事も、真に受けすぎず、冷静な視点もあわせ持っておきたいですね。
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