親の呪いを解いて自分の人生を生きる

10年かかったけどなんとか回復してきた

毒親と「話し合う」のが無意味な理由ー彼らにとっては「話し合い=命令」だから

毒親をはじめ、ずるい人たちからの不当な要求。
それに従っていると、迎合が習慣になってしまい、無意識のうちに怒りや憎しみは蓄積する。
それらは人生に悪影響を及ぼすので、断固としてお断りせねばならない、と以前書きました。

詳しく:罪悪感に負けて不当な要求をのんでいると習慣になってしまう→犠牲を払ってでも断る必要がある


ですが、この「お断り」、相手が毒親だと超絶難しいですよね。
騒いだり、泣いたり、暴力的になったり。

その迫力に圧倒されてしまって、「結局相手の要求をのまざるを得ない→繰り返し」というのが毒親に悩まされてきた人のひとつのパターンではないでしょうか。

泣き叫ぶまではいかずとも「話し合おう」と言われ、「そうか、ようやく話を聞いてくれる気になったか」と少しほっとして、いざ話し合いの場に行ってみると……

話がまったくかみ合わずに平行線、結局根負けして譲るはめになる、というのも超あるあるのパターンですよね。

どうしてこんなにもかみ合わないのか。
「話し合い」が成立しないのか。

まさにこれだ、という答えが加藤諦三氏の愛されなかった時どう生きるか 甘えと劣等感の心理学 PHP文庫に書かれていました。

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そもそも前提が異なっている

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 彼らが「話し合う」という時、それには一つの大前提がある。あなたは奴隷、彼らは支配者という大前提である。それは無意識のレベルであることも多い。
 彼らはあなたに命令している。しかし彼らはそれを話し合いという。
加藤諦三「愛されなかった時どう生きるか 甘えと劣等感の心理学」PHP(1989)p.184

まさにこれ。

「話し合い」と称した「命令」なんですよ。
だから、こちらが「わかりました、おっしゃる通りにします」と言うまで終わらない。

終わらないだけならまだしも、こんなことを言いさえする。

あなたが不当に命令されることを拒否すれば、彼らは「話し合いさえできない」と言う。
加藤諦三「愛されなかった時どう生きるか 甘えと劣等感の心理学」PHP(1989)p184

そうそう、これもそう笑
「話が通じないおまえはダメなやつ」みたいな方向にもっていくんですよね。

私の母もでしたが、伯母(母の姉)も「こうあるべき」への固執がひどくて、電話で「あんたはここがダメ、もっとこうしろ」系の説教や、お金貸してくれと言われたときなども「わかりました、おおせのとおりにします」と言わないと電話を切らせてくれないんですよ、永遠に。
仮に切ってもすぐにかけ直してくる。

とにかく驚くほどしつこいのと、「正論」や「常識」を持ち出してきて、いかに自分が正しいか(=だから従え)、あるいはいかにかわいそうか(=だから従え)主張をしてくる。

なんとかかわしているうしに3時間くらい経ってしまい、こちらもヘトヘトで思考がまわらなくなり、根負けせざるを得ない、というのを繰り返してきました。

彼らにとって話し合いの場とは、あなたが彼らの一方的な意志に平和に屈従する場以外の何ものでもない。
 つまり彼らにとって、あなたが奴隷以外のものであるということは想像できないのである。
加藤諦三「愛されなかった時どう生きるか 甘えと劣等感の心理学」PHP(1989)p.185

さらに厄介なのが、実質的に奴隷扱いしているのに、その自覚がまったくないということ。
むしろ「こんなに尽くしてやったのに」というスタンスですからね。

同じ日本語を話していると思わないこと

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「話し合い」と聞けば、こちらとて、「お互いの意見を出し合って、いい案配のところに着地点を平和に見つけられるなら、ぜひそうしたい」と思いますよね。

でも、彼らにとっての「話し合い」は「命令」「服従させる」なんですよ。
そもそもこちらが想定しているものと意味が違っているんですよ。

だから、「話し合い」という単語を素直に受け取ってしまうと、痛い目に遭う。
もはや、同じ日本語を話していると思わぬこと、と著者はいいます。

このワナは、あなたが思っている以上に狡猾で、完全なものである。だからこそ、「私の人生は決して誰にも操作させはしない」というあなたの強い意志が必要なのである。
加藤諦三「愛されなかった時どう生きるか 甘えと劣等感の心理学」PHP(1989)p.184

 

誰にも操作させないと決める

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母と絶縁後も伯母とは連絡をとっていましたが、「従うまで話が終わらない」「力づくでいうこと聞かそうとしてくる」のカラクリに気づいて以降、疎遠にしています。

せっかく自分の人生を生きるために、母と絶縁すらしたのに、同じような(いえ、もっと気が強いバージョンの)伯母に支配されてはたまらないと思ったのです。

伯母は私が小さい頃、母の代わりをしてくれた面もあり、その点については非常に心が痛むのですが、どうしてももう、「従わされる」ことに耐えられませんでした。

ここで罪悪感に負けて伯母に従えば、相手が母から伯母に変わっただけ。
私はまた「誰かに奉仕する人生」に逆戻りしてしまうのですから。
それだけはごめんだと思いました。

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おわりに

・毒親やずるい人との「話し合う」が無意味なのは、前提が異なるから

・彼らにとっての「話し合う」は「命令」であり、こちらが従うまで終わらない
 →こちらが抵抗を示すと「話し合いのできないダメな奴」と陥れようとしてくる

・罪悪感に負けて要求を飲んでしまうと「奴隷」としての人生がつづく

・だからこそ「誰にも人生を操作させない」というつよい意志が必要

・相手が騒ごうとも要求は飲まずに距離を置くのが現実的