加藤諦三氏の愛されなかった時どう生きるか 甘えと劣等感の心理学 PHP文庫を読みながら、学び、感想をまとめ、今後の生きる力にしていきます。
本記事のポイント
・恩着せがましい親に育てられると「借り」を作りたくなくて防衛的になってしまう
・素直になれないのでほんとうに求めているものが手に入らず人生が困難に
→「防衛的になっている」ことを自覚し、できるだけ本心に従おう
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「借り」をつくることが怖い
恩着せがましさの何がしんどいかというと、
母「お母さんは髪振り乱してあんたを育ててやった(だからからお母さんのいうこと聞きなさい)。
あんたのために離婚しないでやった(だからずっとお母さんの面倒見てよね)」
伯母「あんたが小さい頃いろいろ援助してやった(からお金貸して)」
のように、重い要求がセットになっているからですよね。
未熟な人に「借り」をつくってしまうと、その代償がめちゃくちゃ大きいんですよ。下手したら一生を拘束されかねないぞ、という恐怖がすごい。
たまたま親が未熟なだけで、決して世の中、見返りを求める人ばかりではないはずですが、どうしても「万が一、後でなにか要求されたらいやだな」と思って防衛的になってしまいます。
しかし、そうして防衛的になっていくうちに、「誰とも親密にならないことが無難」「とりあえずすべて避けておくのが無難」となっていき、人生が本当につまらないものになっていきます。
親からもらっていないから余計に愛情が欲しいのに、人を避けていれば手に入らないので、いつまで経っても幸せになれない。
また、困ったときに誰かに頼るということも抵抗があって難しい。
よく事件などのニュースで「周りに助けを求めたらよかったのに」なんてコメントがついたりしますが、「助けてもらったあとにとんでもない代償を求められたらどうしよう」という恐怖感が大きいのですよね。
また、実の親にすら助けてもらった経験が乏しいので、まさか他人が助けてくれるなんて思いもしないんですよ。
恩着せがましさによって、無価値感を植え付けられてきた
ことあるごとに「〇〇してやった」などと言われていれば、「私はただ生きているだけで人に迷惑をかけている」と思うようになっていきます。
だから人といると「こんな私に時間をとらせて申し訳ない」と気が引けてしまうんですよね。
むしろ「損」をしたほうがなんとなく安心してしまう……。
相手が健全な人なら「そんなに気を遣わなくていいよ」とか言ってくれますが、相手がずるい人だとそこにつけ込んでくるんですよね。
それで、ますます防衛的になっていってしまう……悪循環です。
恩着せがましい親にとっては、自分の心理的安定のために、子供が「自分は価値のない人間だ」と感じることが重要なのである。子供がそう感じてくれれば、親は自分の弱みを隠しおおせるのであろう。
加藤諦三「愛されなかった時どう生きるか」PHP研究所(1989)p.25₋26
結局、恩着せがましい親というのは「自分のことで精一杯」なんですよね。本当は、子の面倒を見る余裕などなくて、自分自身を育てるのを先にやるべき人だったんですよ。
けれど、そんなところにまで頭が回るようなら、そもそも子を産んでいないでしょうし……そういう自由がほぼなかった時代もあったし……難しいものです。
ともあれ、恩着せがましい親に植え付けられた「無価値観」とか「何もしていないのに人に迷惑をかけているような気がする感じ」は、絶対的なものではないということ。
未熟な親が「そのほうが都合がいいから」そうしただけのことです。
防衛的だと気づいたら
なるべく素直になることを心がけている
こうして記事を書いて、自己分析を繰り返してもなお、私の防衛的姿勢がすぐに改善するでもなく。
いまだに「あー。ほんとうはこうしたかったのに、なぜか逆のことを言ってしまった」と後悔することが多々あります。
そのたびに落ち込みながらも、「次は素直になるぞ」と決意しています。
毎回できるわけではないけれど、「本当は〇〇だけど、△△にしたほうがいいんだろうなあ……」みたいな思考が浮かんだとき、「本当は〇〇」のほうを採択するようにしています。ちょっと勇気が要るけれど。
少しずつ少しずつ、ですが、自分の気持ちや感じ方を多少は優先できるようにはなってきたと思います。
すると、やっぱり楽になってきましたし、人生に対する充実感も多少は感じるようになってきました。
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おわりに
・恩着せがましい親に育てられると「借り」を作りたくなくて防衛的になってしまう
・素直になれないのでほんとうに求めているものが手に入らない
→「防衛的になっている」ことを自覚する
→できるだけ本心に従った選択を
という話でした。
参考文献
※本記事で参照した書籍は単行本のほうなのですが、リンクがなかったので文庫版のリンクを貼っています。
愛されなかった時どう生きるか 甘えと劣等感の心理学 PHP文庫