「愛着」は母親との関係性によってつくられ、その人の生き方にも影響するもの。
愛着スタイルが不安定だと判明したら、どうやって克服していったらよいのか。
本記事は「悪い方に考えすぎない、そのために自分なりの役割を持つ」について、引き続き愛着障害~子ども時代を引きずる人々~ (光文社新書)を参考に学んでいきます。
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愛着障害を克服のポイント
(前回までのおさらい)
(3)否定的に捉えすぎるのをやめる
愛着障害の人は、親から肯定的な評価を受けられなかったことが多く、それが他の人との関係にも尾を引き、自分に対して、あるいは周囲の人に対して、否定的な評価を抱きがちである。そしてそのことが、対人関係がうまくいかないことや、自分を活かせないことにつながる。
親から肯定されなかった人は、自分のことも他人のことも否定的に見てしまうから、この否定的認知を脱する必要がある、というわけですね。
たしかに私自身もかなりその傾向があります…最近随分マシになったけれど、若い頃はひどかった。
認められ、受け入れられる、ということが人生の初期にできなかったからこそ、自分に対して「私はこれでいいんだ」と思えないのですよね。
無理に思おうとするのもまたつらいし。
役割をもとう
では、否定的な認知を脱するには、どうすればよいのだろうか。
大事なのは、どんな小さなことでもいいから、自分なりの役割をもち、それを果たしていくということである。自分にできること、自分の得意なこと、人が嫌がってやらないことなど、何でもいいからやってみることである。
岡田尊司『愛着障害 子ども時代を引きずる人々』光文社新書(2011)p.296
「役割をもつ」と聞くと、仕事などのイメージが強いかもしれませんが、気楽に取り組めることから始めてよいそうです。
続けていくことで、「私にもできることがあるんだ」と自己有用感が高まるのが大事。
私の場合で考えてみると、このブログを通して、同じ悩みを抱えている人に寄り添うことが「自分にできること・役割」の一つなのかもしれません。
良いところ探し
悪く考えすぎないようにするには、「全か無か」の二分思考ではなく、総合的に見るクセをつけることも大事だそう。
誰でも今すぐできるのが「良いところ探し」。
どんなにひどいことがあっても、それをすぐに否定するのではなく、「何か良いこともあるはずだ」という視点で考え、受け止めるのだ。
たしかに、長所と短所はだいたい表と裏の関係ですからね。
短所に気づきやすいのなら、それをひっくり返すと長所も見ることはできなくはない。
たとえば、”はっきりと物を言う人"が苦手という場合でも、そういう人が権力に対しても臆せず物申してくれるような場面も(まれに)ありますしね。
(ただし)
以前の記事(不満だからこそ「欠けているもの」に目がいってしまう|感想⑥『「大人になりきれない人」の心理』 )で書いたように、あまりにも不満が強すぎると、良いほうに考えることはとても難しいと私は思うので、大きな不満を潰していく(例:嫌いな親と距離をとるとか)ことも大事だと思っています。
同時に「完璧な環境」というものも存在しないので、「いい面を見るクセをつける」ことも確かに必要とも思います。
「今できる限りのことをしたのに、なんか満たされない」というのはたぶん、悪い方に考えるクセが足を引っ張っているのだろうな、と。
どんな人に対しても、否定し続けていれば、ダメな方向に向かっていくし、良い所を見つけて肯定していれば、どんどん良い方向に成長していく。愛着障害を抱えた人に対しては、このことが特に重要になるのである。
愛着障害~子ども時代を引きずる人々~ (光文社新書)p.298
周囲の人に対しても、自分に対しても、気をつけたいと思ったのでした。
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おわりに
愛着の傷を修復するポイント3つめは、
悪いほうに考えすぎない
そのために、
①「自分にできること」を続ける→自己有用感を育てる
②ひどいことがあっても「何かいいところがあるはずだ」と考えてみる→二分思考から抜ける
でした。
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